木更津総合躍進8強、エース早川好投の陰に良妻在り

[ 2016年3月27日 08:26 ]

木更津総合ナインはアルプスの応援団のもとにダッシュ

 天候に恵まれ、熱戦が繰り広げられている今春センバツ。木更津総合が大阪桐蔭を破って45年ぶりの8強進出を果たした。関東勢唯一の8強入り。関東王者のプライドを見せつけた。

 エース左腕・早川の好投やしぶとい打線がクローズアップされているが、陰ながらチームを支えている捕手・大沢の存在を忘れてはならない。大阪桐蔭戦後、早川は「大沢のリードを信じて腕を振った。感謝したい」と話し、バッテリーの深い信頼関係がうかがえた。

 千葉西シニア時代に全国大会8強入りを経験。1年秋から背番号2を背負い、正捕手として強豪を支えてきた。1メートル75、65キロと体格的に恵まれているわけではないが、冷静な配球と二塁送球1・8秒の強肩が武器。昨秋関東大会優勝の要因は大沢の好リードによるところも大きかった。

 相棒の早川が冬に腰を疲労骨折して絶対安静を言い渡された時。焦りから投げたがる早川に「ケガして投げても甲子園で投げられなかったら意味ないでしょ」となだめ、症状が回復するまでじっくりと寄り添った。そんな姿を青山茂雄部長は「昔はやんちゃだったけどだいぶ大人になったかな」と評する。

 昨年はサインが合わなかったこともあったが、今は首を振られることはほとんどない。大阪桐蔭戦前夜には宿舎で、昨秋の明治神宮大会で敗れた試合の映像を1人でじっと見直す姿があったという。今回はその時にほとんど投げていなかったチェンジアップで幻惑。一発は浴びたが、会心のリードでリベンジを果たした。インタビュールームの隅にいた大沢は「良かったです。構えたところにちゃんと早川も投げてくれたから」とはにかみながら、お立ち台でスポットライトを浴びる早川を見つめた。

 大会期間中、つかの間の自由時間は宿舎に直結しているデパ地下で夜食を買うのがひそかな楽しみだとか。エースの好投の影には、必ずそれを支える女房役の存在がある。27日には8強が出そろう。大会も終盤戦に入ってきたが、ぜひ扇の要にも注目してほしい。(松井いつき)

続きを表示

2016年3月27日のニュース