楽勝ムード一転…ソフトB工藤監督「僕のミス」 あいまい指示悔やむ

[ 2016年3月27日 08:27 ]

<楽・ソ>8回、マウンド上に集まるバンデンハーク(左から3人目)らソフトバンクナイン

パ・リーグ ソフトバンク3―3楽天

(3月26日 コボスタ宮城)
 日本一3連覇を狙うソフトバンクが、まさかの船出だ。史上4人のデビュー10連勝のかかったリック・バンデンハーク投手(30)が2点リードの8回に追いつかれ、延長12回の末、引き分けた。工藤公康監督(52)は8回2死一、三塁で一塁走者・岡島に二盗を許した場面を振り返り「僕のミスです」とざんげした。開幕2戦目終了時での未勝利は11年以来5年ぶり。下馬評では断トツの優勝候補に挙げられている大本命が、意外な形で滑り出した。

 まだ、2戦目だ。ただ、試合後の工藤監督は沈痛な面持ちだった。

 「二塁でアウトにしろと言っていれば1点で済んだ。的確に指示をしていなかった。2点とられたのは僕のミスです」

 誰もが勝利を半ば確信していた2点リードの8回だ。先発のバンデンハークは7回までに95球。余力は十分だった。2死一、三塁。ここで同点の走者・岡島に簡単に二盗を決められた。「(三塁走者を)チラっと見て二塁へ」という指示を出していたが、高谷は三塁走者の動きを制することを優先し、二塁に投げることもしなかった。銀次の左前適時打でその岡島が生還。指揮官はもっと明確に指示をすべきだったと猛省した。

 守備のミスも重なった。直前の1死一、二塁では岡島の併殺コースの遊撃へのゴロで併殺を取り損ねた。3年連続ゴールデングラブ賞の名手・今宮の二塁への送球がそれたのが原因。「普通に投げても時間はかからないところ。焦ってしまった」。さらに2点適時打となった銀次の左前打を処理した左翼・福田は本塁に悪送球。コボスタ宮城は今季から天然芝になったため、ワンバウンドの返球は予想より、跳ねない。「バウンドは考えないといけないね」と飯田外野守備走塁コーチは課題を挙げた。

 8回3失点のバンデンハークは、74年の巨人・小川以来42年ぶりとなる史上4人目のデビュー10連勝はお預けとなった。前日にはオランダの英雄ヨハン・クライフ氏の悲報に接し「オランダが大変なことになっている。サダハルオー(王貞治会長)のような存在だったんだ」と肩を落とした。オランダサッカー1部リーグ・PSVのサポーターでもある男は、敗者のような表情を浮かべた。

 「勝てると思ってたのに引き分けた。みんな悔しい思いはある。あした1個、勝って帰りたい」。開幕3試合終了時まで白星を挙げられなかったのは、89年の福岡移転後は90年の一度だけ。明けない夜はない。三度目の正直で3連覇への第一歩を踏み出す。
 (福浦 健太郎)

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