“代走男”巨人・鈴木 19年目の初球宴 川藤と並ぶ“再遅”

[ 2015年7月3日 05:30 ]

<巨・広>初選出された球宴での抱負を語る鈴木

 マツダオールスターゲーム2015の監督推薦選手が2日に発表され、ファン投票と選手間投票による選出メンバーを合わせたセ、パ両リーグ28選手ずつの全陣容が出そろった。巨人・鈴木尚広外野手(37)は19年目での初選出。夢舞台でも「神の足」を存分にアピールすることを誓った。なお、セの本塁打、打点トップに立つヤクルト・畠山和洋内野手(32)、パの打撃部門で上位につけるソフトバンク・李大浩内野手(33)は選ばれなかった。

 19年目でつかんだ初の球宴。鈴木は大勢の報道陣とテレビカメラに囲まれ、喜びを口にした。

 「正直選ばれるとは思わなかったですし、僕の中でオールスターはレギュラーの方、毎日試合に出ている方が出るものだと思っていた。原監督に感謝したい」

 これまで規定打席到達は一度もなく、今季は先発出場もないが、鈴木には最大の武器がある。通算214盗塁。幾多の試合の流れを変え、勝利をもたらしてきた「神の足」に白羽の矢が立った。

 最高のシナリオは二盗→三盗→本盗という独り舞台だ。「チャンスがあれば一つでも多くの塁を勝負していきたい。アウトにならない限りは、どこまでも行こうかと」。見せ方にもこだわる考えで「あまり初球から走ると面白くないので、じらしてから。いろいろ考えています」と予告した。

 「僕の中ではお休みの期間という位置付け」だったという夢舞台。英気を養う時間は失ったが、「休暇以上のものが得られると思う。それを肌で感じて、自分の野球人生のページに一つ刻みたい」と表情を引き締めた。

 ≪川藤と並ぶ“再遅”≫鈴木(巨)が入団19年目で初の選出。過去、球宴初出場まで最も年数のかかったのは「代打男」として知られた86年川藤幸三(神)の19年目。鈴木はこの記録に並ぶ遅咲きとなった。また、代走出場の多かった選手としては藤瀬史朗(近鉄)、今井譲二(広)といたがいずれも球宴出場はなし。「走り屋」の選出は初めてになる。今季鈴木の打席数は11で今回選出野手の中では最少。71年の島本講平(南海)が球宴前まで5打席で選ばれたが、ファン投票で1位だったため。監督推薦の野手としては異例の少なさだ。

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