19年目・鈴木だけじゃない 巨人・原監督の「右腕」も球宴初出場

[ 2015年7月3日 10:15 ]

現役時代は巨人とダイエー、ソフトバンクでプレーした佐藤誠=2009年9月撮影

 7月2日、オールスター出場選手が出そろった。巨人の選手では19年目の鈴木、ルーキーの高木勇が初選出となったが、スタッフとして「初出場」を果たす人がいる。今年から原監督付のマネジャーを兼任している、佐藤誠打撃投手だ。

 「緊張しますね。スター選手ばかりですし、自分は普通の打撃投手より球が速いそうなので、気持ちよく打ってもらえるかどうか…」。40歳。きまじめな性格そのままに、緊張と不安を口にした。

 オールスターこそ縁がなかったが、現役時代は巨人とダイエー、ソフトバンクで右投げの中継ぎ投手として活躍。通算209試合に登板し、ダイエー時代の03年には日本シリーズに登板して日本一に貢献した。北海道・駒大岩見沢出身のため、当時、日本ハム担当だった私は球団幹部の「佐藤が欲しいなあ…」という声を毎日のように聞いていたが、トレード交渉は実らず。手放せない戦力だった。

 ホームゲームでの一日は監督室の掃除に始まり、フリー打撃で投げた後は原監督への来客の対応や身の回りの手伝いなどさまざまな仕事がある。遠征先では一緒にいない状況でも万が一に備え、常に宿舎で待機。「監督が普通に生活できるよう空気みたいな存在でいれればいいと思っている」と話す。原監督は「感謝している。スター選手だったけれども、裏方さんの地味な仕事を献身的にしてくれている」と感謝の言葉を惜しまない。

 指揮官がインフルエンザで静養した4月中旬には、佐藤打撃投手も2日間の隔離生活を送った。まさに一心同体の「右腕」だ。オールスターは緊張しっぱなしだとは思うが、せっかくの晴れ舞台。堪能してほしい。

 ◆大林 幹雄(おおばやし・みきお)1974年(昭49)9月8日、新潟県生まれの40歳。東大卒。98年スポニチ入社。整理部を経て、02年1月から野球担当。日本ハム、巨人、ヤクルト、大リーグ担当を経て、今年から巨人担当キャップ。

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2015年7月3日のニュース