虎崖っ縁…呉昇桓 打たれ阪神シリーズ敵地8連敗

[ 2014年10月30日 05:30 ]

<ソ・神>10回裏2死一、二塁、サヨナラ3点本塁打を浴び、力なく引き揚げる呉昇桓

日本シリーズ第4戦 阪神2―5ソフトバンク

(10月29日 ヤフオクD)
 最悪の結果になっても、いつも通り表情一つ変えなかった。阪神の呉昇桓は本塁付近で歓喜に沸くソフトバンクナインの横を通って、ベンチに戻った。ただ、中村にサヨナラ3ランを打たれた1球への後悔はあった。ポストシーズンで初黒星を喫した守護神は「捕手のサイン通りに投げた。高いとは思わなかったけど、(高さが)中途半端になってしまった」と責任を一身に背負った。

 延長10回。3番手の安藤は2イニング目だった。先頭・明石を四球で歩かせると、1死後に本多のバントを捕手の藤井が二塁で刺そうとしたが、間に合わなかった(記録は犠打野選)。呉昇桓が登板したのはこの直後。これまで何度もイニング途中で好救援を見せてきた守護神は松田を147キロ直球で二飛に打ち取り、力を見せつけた。

 続く中村も追い込んだが、5球目に悲劇が待っていた。内角、やや高めの148キロ直球を右翼ポール際に叩き込まれた。「特にいつもと変わらなかったが…。本塁打を打たれたので違って見えたかもしれない」。この日投じた8球は全て自慢の「石直球」だった。力に頼りすぎ、奈落の底に突き落とされた。

 延長15回まで戦う日本シリーズ。表の攻撃で勝ち越せば呉昇桓を送り出せるが、同点のままだと切り札を投入するタイミングが遅れがちになる。「そういうことやね」。和田監督はそう言い、直球勝負で打たれたことには「勝負にいってのことだから」とかばった。

 頼みの守護神が崩れ、3連敗を喫した。やはり、内弁慶を克服できないのだろうか。これで日本シリーズの敵地での戦いは8連敗。1985年に西武の本拠地・西武球場(当時)での第6戦に勝って初の日本一を決めた試合を最後に、呪縛から逃れられないでいる。29年ぶりの日本一へ崖っ縁に立たされた和田監督は「何としても甲子園にもう一度戻って勝負できるように、あした(30日)やるしかない」と悲壮感をにじませた。

 ▼阪神・岩田(7回2失点)勝ちたかった。(2点を先制された)初回ですね。探りながら投げている感じがあった。

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2014年10月30日のニュース