東浜 つないだ零封!「武者震い」も6回ピンチに連続三振

[ 2014年10月30日 05:30 ]

<ソ・神>6回2死一、二塁、大和を三振に抑えガッツポーズする東浜

日本シリーズ第4戦 ソフトバンク5―2阪神

(10月29日 ヤフオクD)
 本塁だけは踏ませない。2―2で迎えた6回1死一、二塁のピンチ。ソフトバンク・東浜は藤井、大和を連続三振に仕留める。日本シリーズ初登板の2年目右腕は右拳を握りしめ、そして吠えた。

 「久しぶりに武者震いした。いい場面で投げさせてもらい、意気に感じました」

 先発・中田の乱調で、4回から2番手としてマウンドに上がった。そして3回を1安打無失点。同点に追い付かれ、阪神に傾きかけていた流れを止めた。

 日本シリーズ第1戦の夜。母校の亜大の生田勉監督、同大OBで先輩の松田らと神戸市内で会食。お好み焼きに舌鼓を打ちながらも、東浜は「投げてもないのにめちゃくちゃ緊張した。高校、大学でも経験したことがない緊張感」。甲子園、大学と優勝投手になった右腕が漏らした本音。最後は松田に「おまえ、そんなに緊張してるんじゃねぇ」と頭をはたかれて、ようやく笑顔を取り戻した。

 勇気付けられる出来事もあった。シリーズ開幕直前の23日。亜大の後輩、花城直が東都大学野球秋季リーグ最終戦で半年ぶりにマウンドに立った。花城は国指定の難病・黄色じん帯骨化症を患い、今年5月に背中を30センチも切り開く手術を受けた。東浜にとって同じ沖縄出身で在学中からかわいがってきただけに人一倍、心配だった。

 偶然にもチーム内には同じ病気から復活を果たした大隣がいた。先輩左腕に苦しかった体験談などを聞き、生田監督を通じて伝えた。さらに大隣直筆の「焦らず一歩一歩」と書かれた色紙を贈った。それだけに、東浜は「本当にうれしい」と難病を乗り越えた後輩の復帰登板を自分のことのように喜んだ。そして、自身も大舞台でホールドを記録し、「(花城に)こういうところを見せられて良かった」と胸を張った。

 12年ドラフトではソフトバンク、西武、DeNAの3球団から1位指名を受けたが、この2年間はプロの壁にぶち当たり、昨季は3勝、そして今季が2勝。今シーズン途中からは中継ぎとしてブルペン待機が続き、CSファイナルS第3戦でも2番手で7回を5失点と苦い結果に終わっていた。「これを良いきっかけにしたい」。大舞台で投じた52球はかけがえのない財産となった。

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2014年10月30日のニュース