【若菜嘉晴氏の大分析2】不振の主軸目覚めさせた阪神の配球

[ 2014年10月30日 11:15 ]

<ソ・神>1回1死満塁、左前適時打を放つ松田

日本シリーズ第4戦 ソフトバンク5―2阪神

(10月29日 ヤフオクD)
 ◆眠れる5、6番が先制打とサヨナラ弾 シリーズでは眠れる打者を起こしてはいけないのが鉄則だ。初回。阪神バッテリーはソフトバンクの5番・松田に対し、どこまで意識があったか。この第4戦までの松田は11打数1安打。いわゆる「逆シリーズ男」になっていた。その松田のところへ巡ってきた1死満塁の先制機。1ボール2ストライクと追い込み、岩田が投じたのは内角高めの直球だった。それを松田は左前へ打ち返した。

 なぜ高めなのか?おそらく詰まらせて内野フライのつもりだったのだろうが、内野陣は前進守備ではなく、併殺狙いのシフトを敷いていた。ならば、低めのストライクからボールになる、ゴロを打たせる球だ。当たっていないことで慎重さを欠いたのか。しかし、松田という打者は打率や打点という数字では測れないところがある。一打でガラッと変わり、勢いに乗っていく。慎重に慎重を重ねる場面で明らかな配球ミスを犯し、2点の先制を許した。それ以上に不振の松田が打った意味は大きい。

 同様に、当たりの出ていなかった中村が延長10回にサヨナラ3ラン。この2人を目覚めさせてしまったことは阪神にとって、計り知れないマイナス材料だ。

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2014年10月30日のニュース