青木で逆王手!4戦ぶり先発、Wシリーズ初安打がピービKO打

[ 2014年10月30日 05:30 ]

<ロイヤルズ・ジャイアンツ>ロイヤルズ・青木は2回、ピービから左前にワールドシリーズ初安打となる適時打を放つ(AP)

ワールドシリーズ第6戦 ロイヤルズ10―0ジャイアンツ 

(10月28日 カンザスシティー)
 日本の安打製造機がよみがえり、逆王手だ。ワールドシリーズ第6戦が28日(日本時間29日)に行われ、ロイヤルズが先発全員安打の15安打で10―0でジャイアンツに大勝。3勝3敗のタイに持ち込んだ。青木宣親外野手(32)は「2番・右翼」で4試合ぶりに先発出場し、2回にシリーズ初安打となる左前適時打を放った。29日(同30日午前9時7分開始予定)の第7戦でロ軍が29年ぶり2度目、ジ軍が2年ぶり8度目のワールドチャンピオンを目指す。
【試合結果 プレーオフ】

 青木の心情が表れたタイムだった。2回、1点を先制して、なお1死満塁。5球目をファウルした青木は、一度構えた後に打席を外した。「実は打席で足がつりそうになった。最近、軸足に(体重が)乗ってなかったから乗せよう、乗せようと思ったら…」。ここまでワールドシリーズでは9打席連続凡退。挽回へ、千載一遇の打席だった。

 再びファウルで粘り、7球目。外角91マイル(約146キロ)ツーシームを捉え、青木らしく三遊間を鋭く突破した。10打席目でシリーズ初安打となる左前適時打。「きょう負けたら、あすもなかった。流れを一気にこちらに持ってこられた」。この一打でピービを降板させると、打線が勢い付いてポストシーズン球団記録の1イニング7得点。2番打者が目覚め、徳俵に足を掛けていたチームは3勝3敗の五分に星を戻した。

 シリーズ進出を決めた直後だった。個人契約する原田雅章トレーナーの家に、一通のファンレターが投かんされた。10歳前後とみられる近所の野球少年からで、青木のリーグ優勝を祝福する文末に「父を驚かせたいので、チケットを2枚ください」と書かれていた。「そういう子供の思いを大切にしたかった」と青木は父子を第1、2戦に招待。関係者を通じプラチナチケットを受け取った少年は歓喜のあまり跳びはねたという。その第1、2戦を含め、ここまで沈黙が続いた。ようやく、本来の姿が見せられた。

 「今までも崖っ縁の試合を勝ってきた。そこからでも勝てるチームだし、あす必ず勝てると信じています」。29年ぶりの頂点へ、さあ、決戦。一つ確かなのは、チームも青木も追い詰められた時ほど、強いということだ。

 ▼ロ軍ネド・ヨースト監督 あの大観衆、歓声をどう思う?間違いなく、我々の力になっている。選手はスタンドからエネルギーをもらい、能力を発揮している。(第7戦は)誰もが子供の頃から夢にまで見る大舞台だ。

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2014年10月30日のニュース