マー君 3・4デビュー最有力 春先の不調考慮し球団「ゆっくりやれ」

[ 2014年2月18日 07:20 ]

真剣な表情の(左から)ヌノ、黒田、田中、ミッチェル

 ヤンキース・田中将大投手(25)のオープン戦初登板が3月3日(日本時間4日)のナショナルズ戦となることが16日(同17日)、濃厚になった。チームは大リーグ1年目の田中に2月は調整に専念するよう指示しており、実戦登板での起用は3月以降とする方針を固めた。相手のナショナルズには12年のナ・リーグ新人王のブライス・ハーパー外野手(21)が所属。ハーパー斬りで、米国デビューを飾る。

 ヤンキース田中としての初登板。最有力となったのが3月3日にキャンプ地のタンパで行われるナショナルズ戦だ。球団関係者は「田中にはゆっくりやれという指示が出ている。オープン戦の登板は3月に入ってからと伝えられた」と説明。既にラリー・ロスチャイルド投手コーチから田中には明確な青写真が示されているという。

 ヤ軍のオープン戦は2月25日からスタートし、2月は4試合組まれている。ただ、田中は「春先はいつも全然、調子が良くない」と、もともとがシーズン後半にピークが来るタイプ。レギュラーシーズン162試合にポストシーズンも加わる可能性がある長丁場で、さらに日本より短い中4日での登板の過酷な日程が待つ。そのスタミナをメジャー1年目で発揮できるような準備が求められる。首脳陣も模索しながら調整メニューを指示していく必要があり、その一つが「3・3」デビューのシナリオだ。

 ナショナルズは昨季ナ・リーグ東地区の2位。チーム161本塁打はリーグ3位の強力打線だ。その核となるのは12年に新人王を獲得したハーパーだ。10年ドラフトでは全米いの一番指名でナショナルズ入り。メジャー1年目の12年に22本塁打を放ち新人王を獲得、2年連続で20本塁打をマークしている。田中よりも4歳年下だが、いまやチームの顔ともいう存在。初登板の田中には「難敵」ともなるが、ハーパーを抑えてこそ、あらためて「TANAKA」の名をアピールできることになる。

 キャンプ2日目の16日はブルペン入りはせず、一塁けん制、ノックによるゴロ捕球など守備を主とした練習に取り組み、「自分のできることをやるというのは守備に関しても一緒。自分で取れるアウトは取りたい。守備も大事にしている」。同時に日本に比べ、練習時間が短いメジャーキャンプに「時間がコンパクトなのでやるときに集中してやる。必死についていっている。まだ全然慣れない。徐々に(状態を)上げていかないといけない」と慣れない練習への対応の難しさも口にした。

 公式戦デビューは開幕3戦目となる4月3日のアストロズ戦が濃厚。オープン戦初登板からちょうど1カ月後となる中、田中は「(春先は調子が悪いといっても)悲観的になる必要はない。どういう状態であれマウンドに上がったらやることは一緒」と自信もにじませた。オープン戦初登板は大きな注目を浴びることは必至だが田中自身は大きく構えている。

 ◆ブライス・ハーパー 1992年10月16日、ネバダ州出身の21歳。17歳だった10年ドラフトでナショナルズから全体1位で指名され、投手以外では最高額の5年総額990万ドル(約10億980万円)で契約。12年にメジャー昇格し、139試合出場で打率・270、22本塁打、59打点で、野手の最年少球宴出場、最年少新人王獲得などの記録を樹立。メジャー通算成績は257試合、打率・272、42本塁打、117打点。今季年俸は215万ドル(約2億2000万円)。1メートル88、104キロ。右投げ左打ち。

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