中日・山崎が明かすマー君の凄さ 6月に25勝予告していた

[ 2013年9月14日 09:52 ]

昨年まで楽天でともに戦った山崎(左)と田中

 今だから話せます。中日の山崎武司内野手(44)が、開幕からの連勝を21に伸ばした昨年までの同僚だった田中の決意の言葉を披露。まだ7連勝中だった6月上旬に今季25勝し、プロ通算100勝を達成することを「予告」されていた。連勝が一度でも途切れたら、到底届かない数字。まさに現実にしようとする不敗のエースへ、今季限りで引退する大先輩が田中の凄さを語った。

 6月2、3日の古巣・楽天との2連戦。Kスタ宮城でのことだった。田中との久しぶりの再会。山崎は「今年は調子いいな」と声を掛けると、間髪を入れず言ってきた。

 「はい。25勝します」。当時、田中は無傷の7連勝中だった。とはいえ、順調にローテーションを回ってシーズンを消化したとしても、残り試合を全て勝たなければ、25勝には到達しない。しかも25勝すれば、プロ通算100勝に届くことも田中に聞かされた。「言い過ぎなんじゃないの」。山崎は思わず苦笑交じりで聞き返した。ところが田中は「頑張ります」と言い、表情を変えることはなかったという。

 あれから3カ月が過ぎ、いまだ負け知らずの21連勝。7勝の時点では途方もなかった25勝という数字をなぜ田中は自信を持って言えたのか。山崎なりに、こう分析した。

 山崎 いいピッチャーというのは技術も体力も凄いんだけど、何が凄いかを一言で言うと“野球への向き合い方”なんだよね。マー君はいつまでたっても野球小僧。人間だから“遊びたい”とか“うまいもん食べたい”って思うんだけど、マー君は野球のために全てを犠牲にできる。

 今季限りで現役引退を表明した山崎。野手史上最年長となる27年のプロ生活に終止符を打つ。現在、通算403本塁打。

 山崎 俺はそれ(野球のために全てを犠牲に)をできないから、マー君がうらやましいし凄いなと思うよね。もし俺がやれていたら、500本くらいは打ててたかもね。

 山崎は楽天の主砲として05年の球団創設時から支えた。07年に入団した田中が公私ともに世話になった大先輩である。

 山崎 楽天に入ってきた時には気の毒だと思ったよ。(騒がれて)野球もプライベートも常に人に監視されているようなものだから。そういう意味でも早く結婚したのは正解じゃないかな。楽天にいた時は“車を買いたい”というから、車屋さんを紹介したりもしたけど、凄い選手にもなっちゃったし、ウザイ先輩だけにはならんようにするわ。

 ☆楽天時代の田中と山崎 田中は1年目の07年に11勝7敗で新人王を獲得。山崎もこの年、43本塁打で本塁打王に輝いた。そのうち8本は田中登板試合での援護弾だった。同年6月、山崎武は長男・大貴(だいき)君について「顔が(田中に)似ているとみんなに言われる」と告白し、家族からは「マー君が投げる時はしっかり援護してね」とプレッシャーをかけられているという話を披露した。また、楽天が初めてCS進出を果たした09年10月17日、ソフトバンクとの第1ステージ第2戦(Kスタ宮城)では、田中が自身初の無四球完投勝利。山崎も2戦連発弾を放ち、ともにお立ち台に上がった。

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2013年9月14日のニュース