木谷　内角攻めたプロ１勝！５日前に危険球退場何の

＜ヤ・広＞キンタロー。のフライングゲットを披露する木谷（左）と川端

セ・リーグ ヤクルト１１－９広島

（7月12日 神宮）
　恐れなどない。未知の新外国人にも、死球の恐怖にも、ヤクルト・木谷は真っ向から立ち向かった。プロ２年目。度胸が売り物の右腕は恐怖心を克服し、初のウイニングボールを手にした。

　「とてもうれしい。点をやらない気持ちで、自分の球を強く投げた」。広島の猛追で９―７で迎えた６回。４番手で登板した木谷の頭から、５日前の悪夢は消えていた。リリーフ登板した７日の中日戦（ナゴヤドーム）でシュートを平田の頭部へ当てて危険球退場。それでも「僕はシュートを使わないと抑えられない」と心を整理し、荒木、伊藤の両投手コーチから「怖がらずにいけ」と言われて全て吹っ切った。

　最大の魅せ場は６回１死からのキラ。来日後３戦４発の大砲に、オール直球勝負を挑んだ。内角低めの１４４キロで二ゴロ。「怖さはあったけど勝負できた。内角も気にせずいけた」。２イニングを打者６人完全。即戦力と言われたプロ１年目に１軍登板ゼロに終わった悔しさを晴らし、プロ初勝利でチームにも６月５日以来の最下位脱出を呼んだ。

　「ウイニングボールは僕はいらない。実家（福岡）に送ります」。２４歳の中継ぎ右腕がツバメを上昇気流に乗せた。

　◆木谷　良平（きや・りょうへい）１９８９年（平元）４月７日、福岡県生まれの２４歳。小倉では甲子園出場なし。日本文理大では２年時の大学選手権で８強。１１年ドラフト２位でヤクルト入団。今季６月３日のロッテ戦（ＱＶＣマリン）でプロ初登板を果たした。１メートル８１、８５キロ。右投げ右打ち。