ゲームセット1時間半後、前代未聞の脱出劇

[ 2010年9月8日 06:00 ]

福岡県警の護送車で平和台球場を引き上げるロッテナイン

 試合中はたいした波乱もなかったが、太平洋の敗戦も手伝って地元ファンは試合後球場正面玄関に約1000人がつめかけ「金田、出てこい、あやまれ」を連呼して、帰りかけたロッテナインを1時間半足止めにするなど試合後になって大荒れとなった。

 そのため、迎えのバスを外野に移すなどして脱出をはかろうとしたが、そのたびにかぎつけたファンが移動して、ついに立ち往生。金田監督は「選手の体が冷えると大変」とベンチ前で投げ込まれたテープなど廃棄物を利用して“たき火”。そこへ太平洋の才所二軍マネジャーがスミを差し入れ、選手たちの中には、バットスイングをしたり、金田監督などは村田をつかまえてコーチする忙しさ。
 その間には、おさまらないファンが正面玄関をはじめ、二階にある球団事務所のガラス約40枚を投石で割る始末。約100人の機動隊がファンの沈黙にあたったが、火のついたファンは帰ろうとせず、太平洋球団の説得に対し「金田が九州のファンをぼろくそに言ったのが我慢ならない。あす(2日)の試合前に場内マイクですまなかったとあやまることを約束すれば帰る」とつっぱねた。
 9時31分にゲームが終わったのにロッテの一行は1時間半ベンチで待機した。金田監督は「こんな状態では2日の試合はできない」と心ないファンを怒り、同行中の石原代表も「あす連盟に抗議する」と怒り顔だった。約1時間半後の同11時、右翼入口から機動隊に守られ機動隊の金網バスで宿舎国際ホテルに脱出した。

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2010年9月8日のニュース