中島“ごっつぁん”サヨナラ義飛で首位がっちり

[ 2010年9月8日 06:00 ]

<西・日>9回無死満塁、サヨナラ犠飛を放ち、ナインの手荒い祝福を受ける西武・中島(中央)

 【西武6―5日本ハム】決める気満々だった。同点の9回無死満塁。「おいしい場面だし絶対に決めてやろうと思った」。西武・中島が楽々と右翼方向に飛球を打ち上げる。感触も打球も文句なしのサヨナラ犠飛。一塁に到達すると、ナインから氷水のシャワーを浴びせられた。

 「氷が当たって痛かった。1点返せばいいから犠牲フライでいいと思ってました」
 狙い通りの一打だった。「当たって(死球で)も何でもいいと。外の球も打てるのは振ろうと思ってた」。武田久が投じた2球目、外角低め133キロのスライダーにバットを合わせるだけだった。リーグトップの10犠飛目。シーズン終盤の緊迫した場面でもその技術に狂いはない。
 8月3日のオリックス戦(京セラドーム)で、守備の際に左手首を負傷。1週間はフリー打撃もまともにできない状態が続いた。完治した患部には、今もテーピングをしている。「痛みはないですけど、予防のためにやってます」。大事な時期に離脱しないための戒めでもあった。
 初対戦のケッペルを打ちあぐねたが、降板した直後の7回から反撃を開始。2点を返し、なおも2死満塁では中島も左前に同点の2点適時打を放った。「みんながつないでくれたチャンスだった」。勝利への執念は打者一巡の猛攻となり、9回には四球や犠打など無安打での白星を呼んだ。
 今季6度目のサヨナラで、日本ハム戦の連敗も3で止めた。混パの中、首位をがっちりとキープした渡辺監督は「チームに粘りを感じた。全体で勝ち取った勝利」と称えた。残り15試合。「勝つことだけ考えている」と話した中島の存在が頼もしい。

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2010年9月8日のニュース