アラフォーで輝いた高橋 39歳で巨人完封が転機に

[ 2010年9月8日 18:14 ]

2009年5月2日、フィラデルフィアでのフィリーズ戦でメジャー初登板したメッツの高橋建投手

 【広島・高橋建引退】描いていた夢は、それほど大きなものではなかった。「目標はプロ。その夢をドラフトでカープが指名してくれて達成できた」。トヨタ自動車から1995年にドラフト4位で広島に入団した高橋は、自分の働き場所を見つけるのに精いっぱいだった。

 先発に中継ぎと何でもこなし、力で押すタイプから技巧派への転身も図った。2けた勝利を挙げたのは2001年の1度だけ。そんな左腕が大きな注目を集めるようになった転機は、39歳だった08年。「思い出は巨人に1―0で完封したこと。いまでもまだ新しく感じる」。当時リーグ優勝を成し遂げた相手からつかんだ確かな自信が、米大リーグ挑戦へと気持ちを駆り立てた。
 日本での通算70勝は、決して目を引く数字ではない。ユニホームを脱げば、そのやさしい語り口調は元大リーガーというよりも、2人の娘を持つ良き父親だ。高橋は「娘たちもようやく野球が分かり始めた時期。まだまだできるって言われた」と目尻を下げた。「アラフォー」になって、最も輝いたのが高橋の野球人生だった。

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2010年9月8日のニュース