東芝・平馬氏 引退しても心はグラウンドに

[ 2010年9月8日 06:00 ]

一塁側応援席で東芝ナインを応援する平馬氏(左)

 【野球が好きだから・東芝2―0JR九州】スタンドにいても、気持ちは一緒に戦っていた。グラウンドで歓喜のバンザイを繰り返す昨年までの仲間を、東芝の平馬淳氏(35)は自分のことのように喜んだ。

 社会人野球で12年間プレーして昨年限りで現役を引退した同氏は、横浜―法大とエリートコースを経て98年に東芝府中に入社。しかしチームは翌オフ、東芝に吸収合併されて移籍した。その後00年から3年間、都市対抗に出場できなかった時にはプレッシャーに負けて、一度は野球を辞めようと思った。しかし東芝の同期だった巨人の高橋尚(現メッツ)に連絡。「ちょっと待て、お互い30歳の区切りまで頑張ろうや」と諭されて踏みとどまった。「結局ズルズルと12年間、ユニホームを着てしまいましたね」。本人は謙そんするが、補強を含めて2度の都市対抗優勝を経験するなど、社会人球界の第一線で輝き続けた。
 コーチの話もあったが、横浜高の恩師・渡辺監督から「少し野球から離れ、しっかり社会人生活を送れ」とアドバイスされた。今年1月から総合営業推進部で商品PR活動に励む。「五輪も経験できたし、今も楽しい。スタンドの応援も野球の一部ですよ」。いつかグラウンドに戻る日まで。スタンドから見る光景もきっと将来の糧になると信じている。
 ◆平馬 淳(へいま・じゅん)1975年(昭50)7月4日、神奈川県生まれの35歳。横浜で92、93年とセンバツに出場。法大2年時には大学日本一に輝くなど4度リーグ優勝を経験。98年に東芝府中に入社したが翌年、東芝に吸収合併された。都市対抗は07年、08年(新日本石油ENEOSの補強)と2度優勝。00年シドニー五輪代表。家族は妻・綾さん(28)。1メートル76、82キロ。右投げ右打ち。

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2010年9月8日のニュース