杉内今季4度目完封!唯一のピンチも圧巻3連続K

[ 2010年8月15日 06:00 ]

<ソ・日>完封勝利で14勝目を挙げた杉内はガッツポーズ

 【ソフトバンク2-0日本ハム】1球で勝敗は決した。成長を続ける若き大砲の読みを、ソフトバンク・杉内の読みが上回った。唯一のピンチは、2点リードした5回。二塁打と連続四球で無死満塁とし、中田を迎えた。その初球は外角へ139キロの直球。厳しい球ではなかったが、ストライクのコールが響く。打席内の「しまった」という表情を百戦錬磨の左腕は見逃さなかった。

 「(中田は)変化球から入るというのがあったと思う」。この1球で、心理面でも優位に立った。2ストライク1ボールと追い込み、5球目はチェンジアップで空振り三振。バットだけが三塁方向に飛んだ。試合後、中田は「あんなのばっかりやっていたら試合で使ってもらえない」と初球の見逃しを悔やんでいた。
 この後、鶴岡、金子誠と、圧巻の3者連続三振。ピンチを脱した左腕は、2安打12奪三振、自己最多となるシーズン4度目の完封劇で、同僚・和田に並ぶハーラートップの14勝目を手にした。
 伏線は3回の第1打席にあった。初球。低めに落ちる124キロのチェンジアップで中田から空振りを奪った。小久保は言う。「打者心理からすればボールになるチェンジアップをまた振りたくないと思う」。3回に見せた強烈な残像が、初球の直球を見逃させた。
 連続四球の後の初球真っすぐは一歩間違えば危険な球。以前の中田なら手を出していたかもしれない。しかし、杉内は「今は何でも打つ打者ではなくなっている。次の球は打とうとか、見逃そうとか考えている」と語る。西武・涌井、楽天・田中、和田らエース級から一発を放っている中田の進化を逆手に取った。
 日本ハム戦は昨年8月23日以来6連勝で、3試合連続完封。秋山監督も「あの場面で3者連続三振なんて、杉内にしかできない」と舌を巻いた。

 ≪杉内 同一カード3試合連続完封≫ソフトバンクの杉内が、対日本ハム戦3試合連続の完封勝利。同一カード3試合連続完封勝利は、球団では南海時代の66年に渡辺泰輔が東映戦でパ最多記録となる4試合連続をマークして以来44年ぶりだ。この日は2安打12奪三振。被安打2は05年5月31日阪神戦(完封)、09年8月23日日本ハム戦(1失点完投)と並び自身最少。2ケタ奪三振は歴代7位の通算42度目で、パでは工藤(西)と並び4位タイとなった。

 ▼ソフトバンク・田上(2回に決勝の2点適時打。好リードで杉内の完封もアシスト)杉内は今年1番いいと思ったので、1点取ったら勝てると思った。

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2010年8月15日のニュース