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笑い転げた岡山小旅行で親方34回目優勝を確信

[ 2013年10月1日 06:00 ]

 去年の6月、岡山の親方こと増成富夫コラムを書いた。できればスポニチアネックスHP見ていただけたら、ウチらこれ幸いです。

 白血病の病魔を克服しバンクに復帰したことは、もう一つの予想コラム「小銭でゲット」でチラッと書いてはいたが、俺はこの日が来るまで静かにしていようと思ってましたんや。では満を持してやかましくお知らせする。「親方、四日市ナイター涙、涙の優勝!」(9月7日)。復帰して約1年。エリート街道を歩んでた親方にとって、A級戦の予選と負け戦でしか勝てなかった事実は歯がゆいジレンマやったやろな。でも経験者の俺からしたらビックリもんですわ。抗がん剤治療を長期で数クール行うと、なんぼ親方のあのゴリラみたいな強靭な肉体であれ間違いなくヘロヘロにされる。とんでもなくマイナススタートなんですわ。

 「おめでと~!よかったな~!」と数日後、俺は岡山まで車を走らせた。元選手の坂口貴久(56期)が営む超高級料亭「トラちゃん」での祝勝会。二次会は超高級クラブ「おえまー」。しかしまぁー、この地の超が付く店の屋号が、とっても変テコなんはなんでやねん?(笑)。

 「涙、涙の優勝」と書いたのは聞けば親方、選手になってこの33回目の優勝で、いろんな思いが立ち込めてきて初めて人目をはばからず号泣したらしい。

 「身につまされる思いです…」。親方は、今年8月に同じ急性骨髄性白血病で47歳で亡くなった森田進(埼玉=57期)の話をした。森田は大ベテランのS級レーサー。豊橋G3に参加して初日当日欠場。レース当日のウオーミングアップ中に異変が起こったとかで、それから懸命な治療も報われず…。俺のコラムで掲載した高谷敏史(青森=91期)は元気で頑張ってます。俺と同じ頃にガン宣告されるも復活し引退まで走り通した荒川力哉(栃木=77期)。あと、鍬田友久(愛媛=42期)…。現役中に血液のガン宣告されている選手は最近多い。みんな身につまされる思いなんやろな。あっ、俺もね。でもこういうのって運命なんかな?俺の場合ただの悪運ですが…。

 祝勝会の飲めや歌えのドンチャン騒ぎは朝まで続き、前半は涙腺緩むような話しをしてた親方は軽くジョッキ50杯ぐらいは飲み干し、しだいに皆から「おめ~やっぱりアホじゃのぉ~また病気になるわ~」と、店の屋号のごとくトラに変身していった。笑い転げた岡山小旅行は、豪放磊落ケタ違い親方の34回目の優勝を確信してこれにて終了。

 ◇齊藤 哲也(さいとう・てつや)1959年(昭34)4月生まれの54歳。元競輪選手(兵庫支部)。45期生の卒業チャンピオンとして80年にデビュー。S級で長らく活躍していたが40歳で悪性リンパ腫により、03年7月やむなく引退(優勝25回)。本紙予想コラムでは高配的中数知れず。アナ車券の達人!!兵庫県、サテライト阪神のアドバイザーとしても活躍。現在もガン闘病中14年のカリスマ的患者。

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