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武田なら“大量失格”乗り越えられる

[ 2013年8月1日 06:00 ]

 高知G3の初日、追走義務違反の大量失格で競走不成立となり、全投票車券が変換になってしもた。

 前回のコラムはペンネーム“慕屋木真久留”で毒を吐いた。ワテのモットーはバカ話。「フッフフ…辛気臭い話の連チャンなんてありえないぜ」と8割は仕込み済んでたのに「あの件に触れてみて~」と急きょご指令。「ワッチャ~、ワテのプライドが…」。なら今回はタンザニアの友人“コレデーハ・イカンガー”に代筆してもらいま。

 ワテの弟子が15年ほど前にやらかしとるけど、よくよく聞けば歴史は古く、かなりの判例がある。この失格は普通の失格と違い、心技体の“心”が問われる。それやもんで厳罰っちゅうなワケなんですわ。

 ただ今回は、いつもと違い、SSトップレーサー武田ということで、大手ポータルサイトのニューストピックスの1面に掲載されるほどの話題になってしもた。取り仕切るお奉行はそのへんを立脚すれば、頭の抱えようが「ハァ…えらいこっちゃ…どうするべか…」ということなんである。

 武田といえば、圧倒的な王者、選手の憧れ、輪界の宝。そして、一も二もなく「全責任は僕一人!」と潔くコメントを出した。

 最近の例だと、お年玉の代わりにえらいお目玉もろた今年の1月1日の名古屋F2戦。この時は失格した全員が2カ月の自粛+2カ月の斡旋停止の処分。今回は、8月に斡旋規則委員会(JKA・選手会・競技会・施行者の各2人ずつ)が開かれる。遠山の金さん、さぁーどう裁く。ある意味、注目されますわ。

 イカンガーに聞いてみた。そもそも元祖の全員共に同罪という制裁が尾を引いとる。あの状況で、運命を託したラインの自力屋を捨て、マーク屋が追いかけることはない。その昔、ある当事者が「俺らマーク屋は逆に勝機を逸しられたんや」と不服を申し出た。こう言われたそうや「ラインなんて無関係。個人個人が勝機を逸したから」と。ほとんどの選手は、百歩譲ってラインは運命共同体ということで納得してる。でもこう言われると「おいおいおい、ちょっと待ったらんかえ!」てなりまっせ。

 「ライン」。これは関係団体が作る競輪のマニュアル本に最重要視しとるんとちゃいまんのか。とんでイスタンブール、いやとんでもない矛盾! 番組編成マンは三分戦を基本にラインを作る。最近はもっとひどくなり同県同士がやたら多い傾向。それ言うのなら、全レース自動番組で選手紹介(脚見せ)なしでっしゃろ。

 オカマ落車の多発。これは大ギアの弊害。イコール、フレームを立て、サドルのセッティングがIOCに抵触。違反フレームパイプなど問題は山積みや。

 ワテは個人的に武田には義理があり大ファンの一人。だがこの仕事に私情はご法度。あえて厳しく書けたのは武田の人間力の素晴らしさを知っているから。進化した姿を期待する!

 ◇齊藤 哲也(さいとう・てつや)1959年(昭34)4月生まれの54歳。元競輪選手(兵庫支部)。45期生の卒業チャンピオンとして80年にデビュー。S級で長らく活躍していたが40歳で悪性リンパ腫により、03年7月やむなく引退(優勝25回)。本紙予想コラムでは高配的中数知れず。アナ車券の達人!!兵庫県、サテライト阪神のアドバイザーとしても活躍。現在もガン闘病中14年のカリスマ的患者。

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