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スロットのビッグ連チャンと思いきや…“ウン”は尽き果てた

[ 2010年9月8日 06:00 ]

  その日、朝から俺の携帯電話は鳴りっぱなしであった。「見たで見たで」「一躍有名人やな~」「スポニチはネタないんかえ~」
 四カ月ほど前、スポニチの芸能・社会三面記事の欄に【哲っちゃん財布パチられる】という記事が大きく掲載されたからである。
 仕事帰り、俺は近所のパチンコ屋でスロットしててトイレに入った。床にポロっとよく落とすので、手に持っていた長財布をトイレットペーパーのホルダーの上に置いた。ウンコしてる間、それをおもむろに眺め「このまま忘れるアホっておるわな…」と思ってたのに、あろうことか俺が忘れてスロットの席に戻った。“ピコーン”ビッグ連チャンや。「うふふっ、今日も絶好調だぜ!!ほな高いコーヒーでも…」と、ここで置き去りにしてた財布に気がついた。この間約15分。普段小走りさえしない俺が、ウサイン・ボルトも真っ青になるぐらいの全力疾走。
 その前日、超大穴万車券をゲットした大金がドサッと入っていた。この財布にしてからの最高額だ。現金なんて返ってくるこたぁーない。現金はすぐあきらめた。だが他に運転免許証・保険証・ゴールドやプラチナのクレジットカード四社・銀行と郵便局キャッシュカード・各種病院の診察券・ドナーカード・名刺類・各種資格証…とにかく財布の中ってありとあらゆる物がギッシリ入っていた。「長生きしてや」と、いただいたお守りやお札も三つぐらい入っていたしね、人の気持ちはお金じゃ買えない。秘密倶楽部の会員証やポイント満タンのラブホのメンバーズカード(そんなんはどうでもええってか?)。
 結局なにひとつ返ってこなかったわ。免許証の顔見たらそりゃややこしいオッサンやから足つかぬように慎重に処分するわな。俺は二次被害で捕まえてやろうとあえてカード類はそのままにしといた。犯人よ、サラ金でもカード詐欺でも何でもやりなはれ!
 俺は開き直りの達人というか超ポジティブ人間。ええ厄落としになった。そして俺のとんでもない厄を拾った犯人に不幸が訪れるのは必至である(多分…)。逆に気を使うぜ。自分だけが知っている重い十字架をこれから一生背負い続けると思うとほんま可哀相だ。で、この直後、お言葉に甘えましてと俺が二次被害にあったりしてね(笑い)。それもまた俺の人生よ。どうか皆様、神は人それぞれの心の中に宿っているって事を忘れず真っ当な人生を!

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