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“同期の桜”伊藤浩 第二の人生も成功目指して突っ走れ

[ 2010年12月1日 06:00 ]

 むかーしむかし、俺と45期ゴールデンコンビと言われた伊藤浩(大阪)が引退した。ラストランは地元岸和田競輪場。まくった選手に飛び付き、返す刀で頭まで突き抜け、見事有終の美を飾りよったわ。『抜き方を古原のカっちゃんに教えたってくれぇー』『もったいないからヤメるのヤメとけー』。やんややんや飛び交った関西人独特のオチャメな声援が、舞台を照らすスポットライトのようにヒロシを一段と輝かせた。
 セレモニーのマイクパフォーマンスでは、涙ウルウルながらも『悔いは無し』と立派に挨拶。岸和田で失格デビューした借りを、30年後のラストランでケジメをつけたってことか…かっこ良すぎるでーしかし。
 俺らが選手になった頃、レース形態はS取り全盛でした。ラインもへったくれもなく、マーク屋はS取って一番強い選手を迎い入れ死守するだけ。ヒロシのスタートは一世風靡をした。典型的な時代の申し子と思われてたけど、やがてレース形態が変わってほとんどのS取り屋は衰退。だけどヒロシは超一流であり続けた。俺は分かってた。アイツの真の特質もんは、レースセンスとハンドル捌きというのはね。
 この引退レースの模様は競輪マガジン12月号で特集され、俺とヒロシのツーショットもちゃっかり掲載されてますのでぜひ。
 第二の人生は決まっていて、介護用品などの販売会社【NEXMILE:ネクスマイル:06(6599)8281】を設立している。Sで売り出しただけあってやる事は早い。おそらくアッチの方も早漏に違いない。
 その商品の中で【ピタットイオン】という優れものがある。歯ブラシにイオンの出る特殊なゴムを装着するだけで歯垢を浮かせる。俺も愛用しているが、ほんま騙されたみたいに歯がツルツルピカピカになる。ホームページを見るとモニターボイスがあり、顔写真付きで各々絶賛している。よく見ると、三人目に中沢孝之(大阪)発見。さすがは後輩。歯垢浮かせるだけに、歯の浮いたコメントは上手だ(笑)。早く俺も掲載せなあかんで。俺の顔のドUPでニッコリスマイル。コメントは能書き一切なしの『ほらこ~んなにツルツルピカピカ!』のみ。ウケといいインパクトといい、最高と思うのだが…。
 しかしヒロシにはよく先行してやった。『哲っちゃんにはよく勝たしてもろたから今度は僕がええ目さしますわ』と、第二の人生も出世して、こういうセリフをポンと言える男になるんだぞ。

 ◆齊藤 哲也(さいとう・てつや)競輪学校第45期生の卒業チャンピオンとして昭和55年にプロデビュー。S級で長きにわたって活躍するも平成12年に悪性リンパ腫を宣告される。同15年7月に引退。

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