ソフトバンク・山川が古巣の本拠地で強烈な“恩返し満塁弾”2発!! パ初の偉業「たまたまです」

[ 2024年4月14日 06:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク11-2西武 ( 2024年4月13日    ベルーナD )

<西・ソ>6回、満塁弾を放ち、どすこいポーズを決める山川 (撮影・白鳥 佳樹)
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 ソフトバンクの山川穂高内野手(32)が13日、西武戦でプロ野球史上2人目となる2打席連続満塁本塁打を放った。1試合2満塁弾も史上3人目の快挙。昨季まで所属した古巣の本拠地ベルーナドームでの今季初戦だった前日12日は相手ファンから大ブーイングを浴びたが、強烈な“恩返し弾”2発で敵地を静まりかえらせた。チームはリバン・モイネロ投手(28)が8回無失点で先発初勝利を飾るなど今季2度目の3連勝で最多の貯金5。首位をがっちりとキープした。

 敵地となったベルーナドーム。山川は3―0の6回1死満塁、3球目スライダーを強振し、西武ファンの陣取る左中間席へ19年以来5年ぶりのグランドスラムを叩き込んだ。ベンチ前で仲間とハイタッチを交わし、「どすこい」ポーズを決めた。圧倒的多数の西武ファンからは特大のブーイングが降り注ぐのは分かっていたが、迷わずに両手を挙げた。

 「ロッカーとかの会話でも、ギータさんや拓也(甲斐)からは“ホームラン打ったらやってね”というのがある。盛り上がる方法ですし、チームのみんなの思いはあります」

 ベンチに戻ると重圧から解放された満面の笑みを浮かべ「当たった~」と言ってバットを抱え、感謝した。

 「当たってくれた。やっぱり、うまくいかない時ってどうやっても当たんない。そこが苦しかった」

 5回の無死満塁での前打席でフルカウントから空振り三振だった。グラウンド外の不祥事に加え、FAでライバル球団へ去った。前日12日は試合前の準備からブーイングを浴びるなど3三振。耳をつんざくような罵声に打席で苦笑いした。ただ、一発が薬になる。

 「打てない時ってホームランってどうやって打つんだっけという感覚になります。こうやってホームランを打つと乗っていける」。7点リードの8回無死満塁、豆田の真ん中直球を左翼席へ3号満塁本塁打。2打席連続満弾は06年の巨人・二岡以来史上2人目、パ初の偉業だが「たまたまです。僕だけで満塁ホームランは打てない。今日は佑京(周東)が凄かった。健太(今宮)もギータさんも常に塁に居てくれる」。全5打席得点圏で3打席が満塁。仲間への感謝を結果につなげた。

 どんな環境でも集中できる。「打席の中って、何も聞こえないんですよ。聞こえるときは(集中が)入り切れていないときで。ルーティンを意識さえすれば聴覚からシャットアウトされる」。この日は一転、打席時は静かだったものの“集中モード”の4番は8打点と仕事を完遂した。

 今季2度目の3連勝で貯金も最多5とした小久保監督は「ノンプレッシャーの場面で1本出たので気持ちも楽になるでしょう」と納得顔。きっかけをつかんだ山川もきょう14日の3戦目へ「僕はヒットよりホームランの方が乗る。明日も、いいところで1本打ちたい」と狙いを定めた。

 ○…山川(ソ)が西武時代の19年3月29日ソフトバンク戦以来自身5、6本目の満塁弾。個人のゲーム2満塁本塁打は、51年10月5日阪急戦の飯島滋弥(大映=1、5打席)、06年4月30日中日戦の二岡智宏(巨=3、4打席)に次ぎプロ野球3人目。2打席連続満塁弾は二岡以来2人目でパ初の快挙だ。また、古巣からの初本塁打で現12球団全てから本塁打を記録。全球団本塁打は史上44人目になった。なお、チームのゲーム2満塁本塁打はプロ野球29度目、球団では5度目。
 ○…この日は8打点。個人のゲーム最多打点は前記飯島が満塁弾2本と同日に達成した11だが、チームでは03年9月17日近鉄戦の松中信彦(当時ダイエー)以来4人目の最多タイ記録になった。

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