大谷 メジャー通算175号 松井秀喜に並んだ日本選手最多タイ 事件も野球も「一区切り」

[ 2024年4月14日 01:30 ]

ナ・リーグ   ドジャース7ー8パドレス ( 2024年4月12日    ロサンゼルス )

ドジャース・大谷翔平
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 「区切り」の一発だ。ドジャースの大谷翔平投手(29)が12日(日本時間13日)、パドレス戦で松井秀喜(ヤンキースなど)の日本選手最多に並ぶメジャー通算175号の4号ソロを放った。日米通算1000安打目の二塁打も記録するなど3安打1打点。銀行詐欺容疑で訴追された元専属通訳の水原一平容疑者(39)が裁判所に出廷し、事件が節目を迎えた中、新たな一歩を踏み出した。

 外角高め、それもボールゾーンだった。初回1死。大谷は右腕キングの95・4マイル(約153キロ)を振り抜き、左中間席の最前列に着弾させた。日本選手最多に並ぶメジャー通算175号のメモリアルアーチ。大型ビジョンに「Congratulations」の文字が躍り、球場が祝福ムードに包まれた。

 「個人的にももちろんうれしいけど、日本の野球界にとっても大きいこと」

 自身の節目を喜ぶだけでなく、日本球界の未来の扉をこじ開けたことに意味があった。「(本塁)プレートからちょっと外れている難しい球。それを本塁打にできているのは基本的に良いスイング軌道」。松井が量産した引っ張った一発ではなく、大谷が「調子のバロメーター」とする逆方向への一発だった。

 同じ左打ちのスラッガーである松井を、エンゼルス時代の公式ガイドに「好きな打者」として挙げていた。初対面は15年3月21日。東京ドームでデレク・ジーター氏も出席したチャリティーイベントに、当時20歳の大谷も参加した。直接キャッチボールも行い「体が大きくてオーラがあった」と感激した。「長距離打者として小さい頃からずっと見てきた。同じ左打者として憧れの存在。そういう方に記録で並べたのは凄く幸せなこと」と言った。天性の能力も求められる本塁打。「体も大きいし、長打が一つ売りではあると思うので、そこの強みを生かしていきたい」とうなずいた。5回には日米通算1000安打目の左翼線二塁打。7回のパドレス・松井との日本人対決でも右翼線二塁打を放った。

 「区切り」の一日だった。試合前に自身の口座から不正送金した銀行詐欺の疑いで訴追された元通訳の水原容疑者が裁判所に出廷。ロサンゼルス・タイムズ紙の取材に応じた大谷は「捜査に感謝している。個人的には一区切りとし、野球に集中したい」と語った。日本ハムに入団した13年に出会ってから11年。交錯する思いをバットで断ち切った。

 初回に失点した先発の山本を援護するアーチで一時逆転へ勢いづけたが、試合は延長11回タイブレークの末に敗れた。本塁打の打席に関して「基本的にはボールを見逃すのが鉄則。手は出ているので良いところと悪いところがある」と反省も忘れなかった。「どこを目指すとかではなくて、一本打ったら次の一本が大事」。常に高みを目指す大谷らしい言葉を紡いだ。(柳原 直之)

 ▼松井秀喜氏 大谷選手は昨年、メジャーリーグでホームランのタイトルを獲ったほどのパワーも技術もある選手です。私のメジャーリーグで打ったホームラン数は私自身誇れる数字ではないと感じていますので、今後も大谷選手が200、300、400本と日本の野球ファンの皆さまが喜ぶ数字を残していくことを私も応援しております。

 ≪8部門で自己最高ペース≫大谷は開幕16試合を終えて長打(15)、安打(24)、打率(.353)、得点(13)、塁打(48)、出塁率(.392)、長打率(.706)、OPS(1.098)の8部門で自己最高ペースで、長打、安打、塁打、二塁打(10)は両リーグトップ。また、開幕16試合で長打数15は1901年以降、史上5人目で最多タイとなった。

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