ソフトバンク・山川、トラブルを夫人と「一緒に乗り越え」545日ぶりアーチ 8年連続開幕戦勝利導く

[ 2024年3月30日 06:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3-1オリックス ( 2024年3月29日    京セラD )

<オ・ソ>7回、移籍後初本塁打を放ち、どすこいポーズを披露する山川(撮影・椎名 航)
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 “どすこい弾”で白星発進!プロ野球は29日、セ、パ両リーグの計6試合が行われて開幕した。ソフトバンクはオリックスを3―1で下し、8年連続で開幕戦勝利。小久保裕紀監督(52)の初陣を白星で飾った。決勝打は新戦力の期待通りの一発。山川穂高内野手(32)が1―1の7回に移籍1号ソロとなる勝ち越しソロを右中間席に運び、4年ぶりのV奪還に号砲を鳴らした。

 1―1の同点で迎えた7回、山川の一振りが試合を決めた。宮城が外角に投じた150キロの直球を完璧に捉えた。快音とともに打球は右中間スタンドに吸い込まれた。

 鷹党が陣取った左翼スタンドからは大歓声。ベンチ前での“どすこいポーズ”に合わせて「どすこーい」の声が球場に響いた。「久しぶりにお客さんが多い中でプレーできて良かったです。まず1本打つことができて良かった」と充実した表情を浮かべた。

 新天地で迎えた開幕戦。過去には1打席目まで緊張し、震えたこともあったが「思ったよりも普通に入れた」と振り返った。重圧を感じてもおかしくなかったが、やるべきことはやり切って臨んだ。臆することはなかった。

 この日はチームのバスより1時間ほど早く球場入りし、早めに体を動かして何よりも重視している準備を整えた。「100%の結果は不可能に近いけど、100%の準備はできる」が信条。「結果が出ても出なくても、自分のベストスイングをできる準備をしていけたらいいなと思ってます」と力を込めた。

 昨季は女性問題によるトラブルで17試合の出場にとどまった。西武からFA移籍の際には波紋も呼んだ。そんな中で夫人に「頑張ろうね」と励まされ「任せる。ついていく」と温かい言葉をかけられた。「一緒に乗り越えてきてくれた」。レギュラーシーズンでは西武時代の22年10月1日以来、545日ぶりのアーチで家族の思いにも応えた。

 小久保監督も見事に初陣を飾った。指揮官の熱弁でチームは試合前から一つとなっていた。チーム全員を球場ブルペンに集めて「プロフェッショナルとは何か」と切り出した。「目の前の仕事に対して情熱を燃やして、誇りとプライドをかけて仕事をやり抜くこと。替えの利かない人材になること」と鼓舞し、山川ら選手たちは応えた。

 チームは開幕戦8年連続勝利。誇りとプライドを胸にチームが一つになって戦っていけば、必ず頂点は見えてくるはず。4年ぶりの歓喜の瞬間を目指して突き進む。 (木下 大一)

 《王会長ご満悦》ソフトバンクの王貞治球団会長も白星スタートにご満悦だった。試合直後はベンチ裏で選手たちとハイタッチ。「良かったよね。開幕戦8連勝?うん、両方ともにピッチャーが良かったからね」。有原が宮城と手に汗を握る投手戦を展開し、熱い期待を寄せていた山川が決勝アーチを放ったとあって興奮気味に話した。

 《2度目の開幕戦4番弾》山川(ソ)が1号決勝ソロを放ち、西武時代の19年以来5年ぶり2度目の開幕戦4番アーチを記録。2球団での開幕4番弾は中田(日、中)もこの日達成し、ともにラミレス(ヤ=05、06年、巨=09年)以来。日本人では落合博満(ロ=86年、巨=94年)以来30年ぶりとなった。また、チームで移籍初年度に開幕戦本塁打は07年多村仁志以来8人目で、決勝弾は山川が初めてだ。

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