赤星憲広氏 阪神・青柳、梶谷に被弾も内角攻めは間違っていない 開幕投手として十分な内容

[ 2024年3月30日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0-4巨人 ( 2024年3月29日    東京D )

<巨・神>5回、巨人・梶谷に2ランを浴びた阪神・青柳(撮影・大森 寛明)
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 【赤星憲広 視点】 青柳は責められない。5回に3点を失って敗戦投手になったのは悔しいだろうが、立ち上がりから戸郷以上の投球で、開幕投手としての責任を十分に果たしたと言える内容だった。

 5回、吉川に1ボールからの内角真っすぐを右翼フェンス直撃の二塁打。1死三塁から佐々木の遊撃野選で先制点を許したが、前進守備の木浪の本塁送球も精いっぱいのプレーだったし、打球が緩かったのはゴロ投手の宿命だろう。

 さらに梶谷にフルカウントからの内角真っすぐを右翼席に運ばれた。この日の青柳は力強かったし、坂本とのバッテリーがその球種、コースを選択したのも間違ってはいないと思う。長打される危険性は承知の上。しかし吉川の二塁打もそうだったが、青柳が1年間を戦う上で左打者をどう抑えるかは大きなテーマ。この日は打たれたが、内角を怖がってばかりでは外の球も生きない。

 5回は本塁に生還した吉川のスタートは良かったし、その直後に門脇は1死一塁から投ゴロだったがエンドランがかかっていて2死二塁に残り、直後に梶谷の一発。巨人にいい攻撃をされた。逆に阪神の3回1死一、二塁では森下が右中間へ先制の2点二塁打…と思ったら右翼・梶谷の好捕で無得点。終わってみれば試合の流れはここから傾いていったように思う。

 守備の失策や何かのミスがあったわけではないので、この1敗は切り替えられる。3人そろって無安打だったクリーンアップには奮起を求めたいが、戸郷に対して先発に抜てきされた前川が追い込まれてからの左前打と9球粘って四球を選んだ。巨人のエースとは今後、何度も対戦するだろうし、次も期待できる。大きな収穫といっていいと思う。 (スポニチ本紙評論家)

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