松坂大輔氏 侍・大谷の思い伝わる164キロ&ここぞのバント安打

[ 2023年3月17日 05:25 ]

WBC準々決勝   日本9-3イタリア ( 2023年3月16日    東京D )

<日本・イタリア>先発の大谷(撮影・島崎忠彦)
Photo By スポニチ

 【松坂大輔 視点】自分は現役時代、言葉で伝えるのがあまり上手なタイプではありませんでした。06、09年のWBCもそうでしたが、言葉ではなくプレーで見せる。そうやってチームを引っ張りたいと思っていました。二刀流。大谷投手は投打のプレーで驚かせ、そして侍ジャパンをけん引しました。

 2回、パスクアンティノ選手を164キロ直球で空振り三振。甲斐捕手のミットをそのまま突き抜けていくような、すさまじい勢いのボールでした。米国でのオープン戦を含め実戦3試合目。状態は確実に上向いています。球数制限は80球でしたが、初回の第1球から雄叫びを上げ、文字通りの全力投球。目の前の一人一人をアウトにすることに集中して飛ばしていました。その中で生まれた一球。この試合、この大会に懸ける思いが伝わってくる一球でした。

 打者としては3回、2打席目の初球にセーフティーバント。味方、相手ベンチ、そして満員の観客も驚き、どよめきました。守備シフトを敷いていて三塁線はがら空き。相手も虚をつかれましたし、ここぞ、という絶妙なタイミングのバント安打で先制の4点を呼び込みました。

 舞台は米国へ。そして14年ぶりの世界一へ残り2勝。大谷投手はこれからも、そのプレーで侍ジャパンを鼓舞し続けてくれると思います。

続きを表示

2023年3月17日のニュース