侍・村上“そろそろ打ったぞ”　5番降格で発奮！初適時打、初長打、初マルチ

WBC準々決勝   日本9－3イタリア （ 2023年3月16日    東京D ）

＜日本・イタリア＞5回、適時二塁打を放ちペッパーミルポーズの村上（撮影・光山　貴大）
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　日本国民の「＃そろそろ打てや」についに応えた。2点差に迫られた5回無死一、二塁。村上が代わった右腕ニトリの初球、外角低め148キロ直球をはじき返した。中堅の頭上を越えてワンバウンドでフェンスに当たった。今大会23打席目。ついに飛び出した初めてのタイムリーだった。

　「いろんな感情、苦しみも久々に味わいながら、やりました。昨日（15日）の練習で、これだったらいけると、自分の中で根拠があった」

　試合前まで20打席ノーアーチ、14打数2安打、7三振と不振にあえいでいた。5試合目で初めて4番ではなく、5番で出場。悔しさを胸に秘めて臨んだ。今大会初長打に、ベンチも「ペッパーミル」パフォーマンスで大喜び。両手を広げて下から上へとあおるように振り上げ、自身も笑顔でこしょうをひいた。

　昨季日本選手最多56本塁打を樹立した姿が、1次ラウンドでは影を潜めた。左脇腹の違和感で出場辞退したカブスの鈴木からは凡退場面を物まねする激励動画が届いた。インスタグラムに「＃そろそろ打てや村上って言ってください」と自虐気味に投稿した。

　自身にプレッシャーをかけながら、この日の試合でも打席ごとに「軸足の乗せ方、タイミングの取り方を変えた」と微調整。7回にも痛烈なライナーで左翼手のグラブをはじく二塁打。持ち味の逆方向への打球に手応えを感じた主砲は「この自分の感覚を信じつつ、今日も少し角度がつけば入る当たりでしたし、これから出るかなと思います」。米国でそろそろアーチも放ってくれるはずだ。

　≪日本唯一5大会連続4強≫日本はWBC第1回から継続しているベスト4進出を5大会連続に伸ばした。全大会で準決勝進出は日本しかなく、これに次ぐのは韓国（06、09年）、プエルトリコ、オランダ（ともに13、17年）の2大会連続となっている。なお、今回、進出の可能性があるプエルトリコが準々決勝を勝ち上がると3大会連続となり、同じく米国は2大会連続となる。