伊東勤氏　侍・村上は5番で持ち味「思い切りの良さ」取り戻した

WBC準々決勝   日本9－3イタリア （ 2023年3月16日    東京D ）

＜日本・イタリア＞7回、二塁打を放つ村上（撮影・尾崎　有希）
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　【伊東勤　視点】村上を5番に下げ、吉田を4番に上げた新オーダー。栗山監督はよく決断したと思う。負けたら終わりの一発勝負。村上への期待や配慮より、いい状態の選手を使うことに徹して打線を活性化させた。

　3回1死一、三塁のチャンス。吉田は遊ゴロながらきっちりと三塁走者を還した。4番が先制点を叩き出したことで後続が重圧から解放された。村上は見極めて四球を選び、岡本和が会心の3ラン。5回は無死一、二塁から村上がニトリの代わりばなの初球を打って適時二塁打を放った。

　村上は大谷の存在を意識するあまり、積極的な打撃という自分の良さを自分で殺していたように見えた。大谷から吉田を挟み、いい流れで自分に回ってきた。7回も初球を振って連続二塁打。村上らしい思い切りのいい打撃を取り戻した。岡本和もいい当たりが出ると続けて出るタイプ。1番ヌートバーから村上との5、6番コンビまでつながると、大量点が期待できる。

　これで準決勝進出。メジャーのメンバーがそろう強豪国は簡単に四球はくれないし、甘い球も少なくなる。幸いにも打線はベストに近い状態で米国に渡る。本当の真っ向勝負、どんな戦いをするのか注目したい。