侍・栗山監督「本当の勝負がここから始まる」 準々決勝で打線組み換えズバリ!イタリアに圧勝

[ 2023年3月17日 05:25 ]

WBC準々決勝   日本9-3イタリア ( 2023年3月16日    東京D )

<日本・イタリア>準決勝進出を決めてファンの歓声に応える侍ジャパン(撮影・尾崎 有希)
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 全てを懸けた勝負に勝ちきった。栗山監督が「これまでと違う戦い」と位置づけた準々決勝に9―3の圧勝。「選手に何とかしようとする空気感があった。魂を持ってやる。そのことが良かった」。選手起用が、繰り出す策が全てはまった。

 思えば2月17日からの宮崎合宿の直前のことだ。栗山監督は「合宿からがこの戦いの始まり」とし、都内の東郷神社を訪れた。元帥海軍大将の東郷平八郎がまつられ「勝負の神様」として知られる同神社。「あの日露戦争で司令長官を任されたのは、最も運を持っている人だったからと聞いた。自分も運を信じて戦い抜こうと思ったので」。栗山監督はそう振り返った。

 尊敬する名将・三原脩は勝負の要素として「実力5、運3、調子2」としている。10のうち3も運が勝負を左右する。だから、自分の運を信じて「全て自分で決めようと思った」。コーチの意見、選手の話はもちろん聞く。でも、決断は全て己だ。大谷を準々決勝に先発させ、ダルビッシュをリリーフで送った。不動の4番村上を5番に下げ、吉田を4番に。三塁手の岡本和を一塁で、右手小指を骨折している源田をスタメンで起用した。強行出場の源田について「彼の命を懸けたプレーを見ていただきたい」と語る指揮官の目は心なしか潤んでいた。

 まさしく「運」と「魂」の共鳴。1次ラウンドから5試合を圧勝で全勝した。そして米国へ。「本当の勝負がここから始まる」。世界一へあと2勝、選手たちを信じ、命を懸けて戦い抜く。(秋村 誠人)

 ▽東郷神社 1940年に創建し、東京都渋谷区に鎮座する神社。日露戦争で連合艦隊司令長官として指揮を執り、日本海海戦での完勝に導いた東郷平八郎をまつっている。至誠、勝利、強運、縁結びの神様として、多様な世代から崇敬を集めている。

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