【能見篤史氏 直撃キーマン①】阪神・青柳 「開幕一回は経験したい」「チームの顔だと思うので」

[ 2023年2月4日 07:45 ]

「A」OYAGIと「A」TSUSHIの新旧「エース」対談を終え、両手で「A」をつくって笑顔の青柳(右)と能見篤史氏(撮影・北條 貴史)
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 阪神・青柳晃洋投手(29)がOBで本紙評論家の能見篤史氏(43)と“エース談議”に花を咲かせた。今季は8年目にして初の開幕投手が確実で、現役時代に3度経験した同氏から大役を担う意義を説かれた。地位確立後のキャンプの過ごし方や年間通して先発ローテーションを回る上での悩みをぶつけるなど、たっぷりと語り合った。(取材・構成=遠藤 礼)

 青柳 すいません、遅くなって…。サダ(岩貞)さんが“能見さんが遅くてキレてる”って言ってたので。

 能見 あいつ…。全然そんなことないよ。どんなキャンプにしたいとかはある?

 青柳 ゆっくりでいいかな、と。キャンプ自体は憂鬱(ゆううつ)なところありますけど…。

 能見 今まで積み重ねてきて、ローテーションでも絶対に必要なところになってのキャンプインって任されることも多くなる。計画は立てやすい。

 青柳 昨年もそうだったんですけど、どれぐらいの時期に投げるかも自分で決められますし、全体メニューに入るか、入らないかも選べるぐらいの(裁量がある)。

 能見 え?そうなの?

 青柳 みんなやるけど、ヤギ、どうする?みたいな感じで。今年は監督変わったんで分からないですけど、やらないといけない気持ちはありますね。

 能見 開幕投手を熱望しているよね。

 青柳 投げたいですね。

 能見 凄いね。

 青柳 経験してないので、僕は。昨年は選ばれながら、コロナで投げられませんでした。

 能見 そうか。じゃあ、投げるべきだね。

 青柳 先発をやるとしたら、一回は経験したいな、と。

 能見 僕はあんまり投げたいと思わなかったけど、やってみて面白い。独特よね。

 青柳 やっぱり普通の1試合とは違うんですか。

 能見 一番違うのは野手も緊張していること。一発目だから。それがスゴく伝わるのね。

 青柳 先発ローテを何年か回らせてもらったら、目指すところは、まずそこだ、と。開幕投手はチームの顔だと思うので、投げたい気持ちは変わらず強いですね。

 能見 自覚と責任とね。どんどんやっていけばいいと思う。

 青柳 一回やってみたら“もうやりたくない”ってなるかもしれないです(笑い)。勝った、負けたで“来年もやりたい”となるかも。

 能見 1回目は僕も一緒でやってみたいなと思っていた。歴史上に名前が残る。勝利投手にも1回なったしね。チームの中で一人しかできない。下積みがあって、みんなが認めてくれないとできない。(青柳は)もうその段階に入ってる。

 青柳 やりたいです!やらないと分からないこともあるので。今年やらせてもらって、来年は誰かとなるかもしれないですし。

 能見 (エースと呼ばれるのは)めっちゃ嫌やったよ。そこまで言われるぐらい勝ってますか?と自問自答した時に、それはちょっと違うなと。プレッシャーにもなるし。自分で認めてないからきついし、言われたくなかったね。そこまでの選手じゃないというのがあったから。

 青柳 僕は“周りが勝手に呼んでくれ”と。自分がエースだから大きくなることはないと思うし、俺がエースだ!と(前へ)出ていくことはないですね。僕も自分を認めてないんで。引退した時に“タイガースのエースは青柳だったな”と言われたらうれしい。(②に続く)

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2023年2月4日のニュース