松坂大輔氏 巨人・戸郷にWBCの極意伝授 秋広の打撃にはビックリ「大谷のような打者に」

[ 2023年2月4日 05:20 ]

巨人キャンプを訪問した松坂氏(右)は原監督と談笑する(撮影・西川祐介)
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 【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】本紙評論家の松坂大輔氏(42)が3日、宮崎市の巨人キャンプを訪問。3月のWBCに出場する戸郷翔征投手(22)に貴重なアドバイスを送った。滑りやすいWBC使用球への対応策と故障防止策。経験者ならではの金言だった。また、09年大会で世界一連覇に輝いた際の指揮官である巨人・原辰徳監督(64)とも再会。当時の思い出などを振り返った。

 ブルペンで直接、投球練習を見ることはできませんでしたが、ベンチ裏で原監督と一緒に戸郷投手が投げている映像を見させていただきました。本人とも会ったので、ボールの扱いについて伝えました。WBC球はやはり滑りやすい。毎日、できるだけ長く触って手になじませる。そういう作業も大切ですが、自分が伝えたのは故障防止についてです。

 抜けやすいボールだと、どうしても指先で強引に抑えつけようという動作をしてしまう投手が多い。そうすると前腕、肘が張ったりします。戸郷投手には、今は多少抜けるのが気になっても、無理やり「抑え込もう」としなくてもいいのでは、と言いました。とにかくケガだけはしてほしくない。自分も06年の第1回大会の時など、最初はボールが「捕まらない」印象でした。ただ、無理に低めに投げよう、変化球を曲げよう、とはしなかった。投げていくうちに慣れたという感じです。この「慣れ」は時間が解決してくれます。

 第5回WBCも目前。09年に世界一連覇を果たした際の指揮官である原監督とも当時の話をしました。選手の大変さも、監督のプレッシャーも分かっている方。今回、巨人は4選手が侍ジャパンに選ばれました。彼らの活躍を願いつつ、心配もしていましたね。

 岡本和真選手には「WBCは大変だけど、ケガのないように頑張ってね」と伝えました。16年オフに参加したプエルトリコのウインターリーグでは同じチーム。当時は「全然飛ばないんですよ」と打球を飛ばすことに苦労していました。今では球界を代表する長距離打者。WBCでの活躍も祈っています。

 野手の練習では、高卒3年目の秋広選手の打撃に驚かされました。「バチーン」という打球音からして他の選手と違う。これまではラインドライブの打球が多い印象でしたが、角度がついて軽々フェンスオーバー。ボールに対してバットの入り方が変わったなと思いました。

 本人にインタビューさせてもらいましたが、人の顔を見上げながら話をしたのは久しぶりです。身長2メートル。凄いなと思ったのが体の厚みです。昨年と明らかに違い、その体を見るだけでとんでもない打球が生まれそう。実際に豪快な当たりを連発していました。

 原監督は「レギュラーなら外野で」とする一方で、WBC組の岡本和真選手が抜けた際に内野手としてカバーしてほしいとも言っていました。現時点の評価は「練習での打撃は、とんでもなくいいものがある。あとはそれを実戦で出せるか」とのことでしたが、本当に楽しみな存在です。

 エンゼルス・大谷選手やヤクルト・村上選手のように、中堅から逆方向への一発が出てくると、さらに進化を遂げると思います。大谷選手とは構えも似ていますし、参考にしている部分もあるのでは。大谷選手のようなスケールの大きな打者に――。そんな希望、夢を抱かせてくれる打撃練習でした。

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