ロッテ担当のアラ還記者が初キャンプ取材で吉井監督に密着 歩数計を手に奮闘の結果は…?

[ 2023年2月4日 05:20 ]

歩数計の数字を比べる吉井監督(右)と大内記者(撮影・長久保 豊)
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 スポニチ史上最高齢?の58歳で初めてプロ野球担当となったアラ還記者が初めてのキャンプ取材で歩数計を身につけ、ロッテ・吉井理人監督(57)に2日に密着。侍ジャパンの投手コーチも兼任し、精力的に動き回る1歳下の新監督の多忙さを体を張って伝えるはずが…。沖縄・石垣島からアラ還記者のトホホぶりをお届けします。(大内 辰祐)

 あれっ?吉井監督がいない。慌てて双眼鏡を取り出して確認するが、やっぱり姿はない。室内か、サブ球場か…何度も往復し同じことを繰り返した。あいさつした際に監督から「白髪同士、頑張りましょう」と声をかけてもらったことに気を良くした昭和生まれの記者が、キャンプ事情もよく知らぬまま「ネタは足で稼ぐ」的な時代錯誤な発想で企画したのが間違いだった。

 コロナ対策のためグラウンドの立ち入りはNG。“密着”と銘打ちながら実際はネット越しのストーカーのようなもの。一度見失えば、広い公園内を右往左往することになる。まあ、それは覚悟していた。2日早朝、雨音で飛び起きた。まずい…雨だと企画自体が成立しない。幸い練習前には雨は上がったが、当然想定すべきことを忘れていて冷や汗。

 練習開始30分後、メイン球場から徒歩で移動する監督にタイミング良く合流できた。毎朝20分ほど「頭をリセットする」ため、コースを決めずに散歩しているとか。サブ球場への道中は「この年になって長く歩くと、体のあちこち痛くなるから」(吉井監督)、「自分は腰ですね。歩くより長く立っている方がキツいかも」(大内)。アラ還ぽい話題に思わず和んでしまった。

 佐々木朗に視線を向けている隙に監督を見失う。無駄に歩数だけを稼ぎ、歩数計の数字は「13302」に達した。キャンプ初日の昼、会社の人事・総務部から電話があった。1月23日に受けた健康診断の「要再検査」のお知らせ。血色素量(ヘモグロビンの量)が急激に減少し、貧血の疑いがあるらしい。走るのは極力控えようと思っていたのだが、あちらこちら走り回るうちにたっぷりと汗をかいてしまった。

 一方、吉井監督は「5353」歩。車移動も多かったが、グラウンド内での精力的な動きが数字を伸ばした。投手コーチ業とは異なり、チーム全体に目をやり、3月にはWBCで侍ジャパン投手コーチも控える。「いろんな選手に声をかけてあげたいからね。移動が多く慌ただしさはあるけど、忙しいって感覚はないかな。感じるとしたら侍の合宿が始まってから」と涼しい顔だ。指揮官の多忙ぶりが伝えられたのか、正直自信はない。でも、監督も「トライして失敗するより、トライしない方が格好悪い」と言っていたじゃないか。ん?それは選手たちに向けての言葉か。まあ、ヨシとしよう。

 ≪本当に1歳差?監督のアスリート魂に最敬礼≫【取材後記】取材終わりに吉井監督と一対一で話す時間を頂いた。同世代で共通点も多い。子供の頃に読んだ野球漫画をたずねると、予想通り「ドカベン」だった。次に監督が挙げたのが「ストッパー毒島」。知らない…聞けば96年に連載が始まった漫画で、吉井投手が実名で登場というオチがあった。一番驚かされたのは監督自身が今も練習後に45分~1時間ウエートトレーニングをしていること。さっきは「あちこち痛くなるから…」と言っていたのに?さすがアスリート。まだまだ若いです。

 ◇大内 辰祐(おおうち・たつひろ)1964年(昭39)6月23日生まれ、福島県出身の58歳。92年にスポニチ福島支局で記者生活をスタートさせ、メディア編集部(現総合コンテンツ部)を経て18年4月からスポーツ部。ボクシング、格闘技、体操、卓球、フェンシング、カーリングなどを担当。1メートル82、72キロ。右投げ両打ち。

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