ヤクルト・村神様は破壊神だ!スコアボード直撃で連日の衝撃弾 中学時代には屋根破壊伝説も

[ 2023年2月4日 05:25 ]

ランチ特打でバックスクリーン直撃弾を放つヤクルト・村上(撮影・沢田 明徳))
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 村神様が破壊神となった。ヤクルト・村上宗隆内野手(23)は3日、沖縄・浦添キャンプのフリー打撃でスコアボードに直撃し電光掲示板を破壊する特大弾を放った。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンの4番として期待される主砲は、72スイングで24本の柵越え。前日の“場外弾”に続く衝撃アーチで順調すぎる仕上がりを披露した。 

 一直線に中堅に伸びた村上の打球がスコアボード、先攻チームの6番打者の名前が入る「6」の下にぶち当たった。電光掲示板の液晶画面を破壊。故障して1~6番打者まで表示できなくなった緑色のスクリーンが、村神様の凄さを物語った。

 「いい感じです。うまくバットに乗ったいいスイングだった。でも練習なので、普通」

 本人は全く意に介さなくても、周囲は驚きを隠せない。浦添市民球場の関係者によれば、電光掲示板は約10年前に設置。「壊れたのは記憶にない」と証言した。前日にもスコアボード上部に当たる推定140メートルの“場外弾”に加え、直撃弾を2発放っていた。規格外のパワーを存分に見せつけ、ランチ特打での72スイングで24発の柵越えを放った。

 令和初の3冠王の破壊伝説は中学時代からだ。在籍した熊本東リトルシニアのグラウンドは右翼が約80メートルと狭く、高さ約12メートルの防球ネットが張られていた。しかしそれを軽々越え、その先の小屋の屋根を何度も直撃して破壊。中堅方向100メートル先にある民家の屋根にダイレクトでぶつけたこともある。破壊を阻止するため、「左中間に打て」と徹底され、逆方向への打撃を重ねて村神様が誕生した。

 代名詞ともいえる逆方向への長打力を身につけ、球界の常識や記録もいくつも破壊してきた。高卒2年目で36本塁打を放ち、21歳7カ月で史上最年少100号。22歳6カ月で史上最年少150号にも到達し、王貞治を抜く日本選手最多の56本塁打を放ってみせた。

 全体練習後には特守も行った。ゴールデングラブ賞にも強い意欲を示す背番号55は「守備もしっかり上達して、エラーせずにチームに迷惑をかけないように頑張りたい」と約45分間、ボールを追い泥にまみれた。2軍時代から見守る高津監督は「バッティングでよく評価されるけれど、一番の成長は守備。入ってきた時から比べたら何段階も上。守備でも引っ張っていってほしい」と期待する。

 休養日を挟んであす5日から第2クールに突入する。「しっかり明日(4日)休んで、またあさってからしっかり練習したい」。破壊なくして創造なし。主砲に期待される侍ジャパンでの世界一奪還という新世界創造へ、破壊から号砲を打ち鳴らした。(青森 正宣)

 ≪球界スラッガー破壊列伝≫☆カブレラ(西武) 03年6月14日のロッテ戦で千葉マリン史上2人目の場外弾。本塁から直線距離で140メートル離れた駐車場に止まった車のテールランプを破壊した。

 ☆山崎武司(楽天) 07年5月27日の横浜戦で推定145メートルの場外アーチ。打球は横浜公園内のお面を売る露店に飾ってあった「プリキュア5」の「キュアアクア」を破損した。

 ☆松井秀喜(エンゼルス) 10年3月24日のロイヤルズとのオープン戦。放った大ファウルがアート・モレノ・オーナーの愛車「ベンツCL600」を直撃。フロントガラスに70センチのひびが入った。

 ☆柳田悠岐(ソフトバンク) 15年6月3日のDeNA戦。三浦から横浜スタジアムの電光掲示板に直撃する推定150メートル弾。当たった場所は衝撃で黒くなり、映像が映らない状態に。

 ☆大谷翔平(エンゼルス) 22年5月5日のレッドソックス戦。フェンウェイ・パークの左翼フェンス「グリーンモンスター」直撃の二塁打。衝撃で手動式スコアボードの「投手・大谷」を示す「17」を破壊。21年には打球速度175キロのゴロで、捕球した二塁手のグラブを壊した。

 ▼巨人・中里篤史スコアラー WBCがあり、仕上がりが早いのだろう。振れている。

 ▼中日・前田新悟スコアラー この時期にああいう打球は見たことない。しっかり調整している。

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