【“石仏”呉昇桓と一問一答】40歳も「引退は考えてない」藤浪にもエール「アメリカで成績残せる」

[ 2023年2月4日 08:55 ]

<呉昇桓インタビュー>笑顔で報道陣の質問に答える呉昇桓(撮影・大森 寛明)
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 14年から阪神に在籍し2年連続でセーブ王にも輝いた呉昇桓(オスンファン)投手(40=韓国サムスン)が3日、春季キャンプを行っている「ONNA赤間ボール・パーク」でインタビューに応じた。40歳になった“石仏”は今季も守護神を任される予定であと30に迫る韓国通算400セーブに強い意欲。古巣・阪神にエールを送るとともに、将来的な投手コーチ就任で再来日することにも色気を見せるなど、様々な話題を語り尽くした。(聞き手・遠藤 礼)

 ――元気にしてるか。
 「ゲンキデスヨ」

 ――日米韓500セーブが目標の一つになるか。
 「韓国とアメリカと日本だったら、あと8個しかないんですけど、韓国で400セーブまで30個残っているので、まずそれを目指して頑張りたい」

 ――今年もクローザーを任される?
 「それに合わせて準備をしています」

 ――偉大なその数字が近付いてきての心境。
 「記録を気にしては練習や試合をしていないので、それよりも今のベストを尽くして練習も試合もすれば、記録は付いて来ると思うので、それを考えて毎日ベストでやっています」

 ――その年齢でのクローザーは世界を見渡しても少ない。その秘けつは?
 「年齢を重ねていることは気にしていないので、どこの選手もそうだと思うけど、ベテラン選手は実力や技量の前に先に年齢を言われることが多いが、自分がそういう(風潮を)のを変えたい。体調や技量が良くなかったら言われても仕方ないけど、その質問(年齢の)が来る前に、ちゃんと準備をしたいです。まだ試合は入っていないが、去年より状態はいいので、準備はしっかりできています」

 ――李大浩は引退した。今も続けるモチベーションは?
 「さっき言ったように、自分の体が良くなかったら引退を考えると思うけど全然、落ちてないですし、引退は考えていないです。今年のシーズンは期待されているだけで、引退は頭にないので」

 ――ピッチングスタイルは変わっていないか。
 「少しは変わりましたね。年齢に合わせて変えないといけないので。阪神の時と今とでは違いがあります。少しは変わっていきますね」

 ――球種は増えたか。
 「二つくらい、増えました」

 ――それはツーシーム?
 「ツーシームと、スライダーを二つに分けて投げるので。球速差で。去年からカーブの割合も増えたし」

 ――軸はあくまでストレート?
 「やっぱり真っすぐが軸にならないと、変化球が生きてこないので、一番大事なのは真っ直ぐです」

 ――19日の阪神との練習試合は投げるか。
 「たぶんないと思います。阪神の時に投げたらプレッシャーがかかるので(笑)」

 ――球場には行きたいか。
 「まだ決まってないです」

 ――阪神の情報は気になっているか。
 「(当時、一緒にやっていた)みんなコーチになってるんですね。その時一緒にやってた選手は」

 ――選手は梅野ぐらい?
 「梅野と岩崎。岩崎ってもうベテラン?新人だったんですよ(苦笑)。岩崎と梅野が新人。(今年)自主トレでここ(沖縄)でやったんですけど、広島の田中(広輔)がもうおじさんと言ってました(笑)」
 ――ミエセスが阪神に入った。
 「記事で見ました。自分からホームランを打った選手が阪神に入ったということを」

 ――ホームランを打たれたのは覚えてる。
 「はい、覚えてます」

 ――どんなバッター?
 「一回しか対戦してないので。阪神のスカウトチームが良い選手と判断してスカウトしたと思うので」

 ――1打席の印象は。
 「ホームランを打たれたので、パワーがあるバッターだなと思ってます。阪神が良いチームなので、良い成績を残せると思います。阪神ファンの応援も熱いし、成績が良かったらすごく応援されると思うので」

 ――藤浪がメジャーにいく。アドバイスはあるか。
 「阪神ファン、阪神関係者の期待よりは藤浪の成績は良くなかったと思うんですけど逆にアメリカに行ったらもっと良い成績を残せると思います」

 ――外国で活躍する秘訣は?
 「チームの雰囲気を把握して、選手たちと仲良くするのが一番じゃないかと思います。福原さん、安藤さん、新井さん、(西岡)剛、鳥谷さんに早くチームに慣れるように手伝ってもらったので、阪神で良い成績を残せたと思います」

 ――潜在能力は感じていたか。
 「当然、強い球を投げられるという能力は誰もが持ってる能力ではないので、そういうところは十分感じてました」

 ――新井監督は楽しみか。
 「新井さんは選手たちから信頼される監督になると思います。信頼度が強い、そういう印象だったので、良い監督になれると思います」

 ――将来的に阪神のコーチなど、これから日本と関わることはある?
 「機会があれば行って自分も勉強できると思うし、自分が持っている(成功の)秘けつとかも教えることもできると思う。機会があればぜひ、それはやってみたいですね」

 ――肌で感じた日本の野球の良さとは。
 「基本をしっかり守って、それを練習でしっかりやり続けているから、ぶれない実力が維持できる秘けつだなと思いました。基本をプロに入ってからも守るということは一番難しいことだと思うけど、日本の選手はそれをしっかりやっているので」

 ――それを経験したことが長く高いパフォーマンスを維持していることにもつながっているのか。
 「少しずつ球は落ちてるけど(笑)。日本の野球ではスタープレーヤーも基本をしっかり守っているのを見て、自分もそれが力になりました」

 ――結婚したと。おめでとうございます
 「ありがとうございます」

 ――結婚生活は順調?
 「(笑)」

 ――笑顔も増えた。
 「結婚したから明るくならないと(笑い)」
 (自ら切り出して)
 「双子のファンは今でもいるの? まだ来ているの?」

 ――大人になった。
 「覚えています。いつも立って見てくれていた」

 ――阪神の仲間と今は連絡は。
 「コロナ前はシーズンオフに大阪に行ったりして、安藤さんや福原さんや藤井さんに会ったりしていたけど、コロナになってからは難しくて」

 ――WBCは気になるか。
 「応援だけです」

 ――過去の大会は全部出ている。
 「代表は実力だけで選ばれるチームだから、自分が選ばれなかったのは仕方ないし、大きい大会で韓国の選手が良い成績をあげて、韓国のプロ野球のファンが多くなるように。けがなく、良い成績を残して帰ってくるように応援するしかないですね」

 ――おすすめの韓国選手は。
 「イ・ジョンフ。日本でも注目されていると思う。みんなも知ってる選手じゃないですか」

 ――日本で気になるのは。
 「今回の日本は良い選手が多すぎて、日本の選手層はすごいなと思っています。村上もすごいし、いい投手が多いですね、日本は。オリンピックの時にも見て思った。本当に良い投手が多いなと」

 ――村上と対戦したいのでは。
 「歳の差が大きすぎて、あまり考えたことないです」

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