日本ハム・万波が“10センチ”を駆使する 私物のティースタンド2台でインパクト時の悪癖修正

[ 2023年2月4日 06:00 ]

ティー打撃練習を行う日本ハム・万波(撮影・高橋 茂夫)
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 日本ハムの万波中正外野手(22)が「10センチ」を駆使して5年目の覚醒を狙う。3日、沖縄・名護での1軍キャンプに私物のティースタンドを2台持参。インパクト時に右肩が下がる癖を修正するため、高低差約10センチのスタンドを用いた珍トレーニングを繰り返した。昨季はオープン戦で結果を残すも開幕直前に急ブレーキ。課題を克服し、昨季逃した開幕スタメンを奪い取る。

 フリー打撃開始前のティー打撃。ベンチから2台のティースタンドを抱えた万波が出てきた。1台を通常の位置に置くと、もう1台は手前に設置。約10センチほど下げた手前のボールに当てないよう、通常の高さのボールを打つ練習を繰り返した。

 「肩が下がってバットが下から出てくるのが大きな課題なので。それを治すためにやっている」

 4年目の昨季は100試合に出場し、打率・203。チーム2位タイの14本塁打を放ったが、フライアウトが68と、ゴロアウトの58より10多かった。「速い球とか高めのボールに対して、なかなか捉えることができなかった」。強い直球をはじき返すため、導き出した練習法がこれだった。

 オフにネット通販で計3万2000円のティースタンド2台を購入。高低のスタンドを前後に並べて打ってきた。よりフラットにヘッドを出さなければ手前のボールに当たり、逆に手前を避けようとするとボールの上を打ってしまう。「まだまだだが、継続していくことが大事」と、“10センチ”を操れる操作性を磨いてきた。

 1日の紅白戦は紅組の「6番・中堅」で先発出場。3打数無安打に終わったが、今は目先の結果より課題克服に注力している。それは昨季の反省から。昨季はオープン戦で打率・294、個人トップの5本塁打をマーク。初の開幕スタメン候補に躍り出たが、開幕直前の失速が響いて悲願の開幕スタメンを逃し、2軍でシーズンを終えた。

 「今年は尻すぼみで終わるのは嫌。もちろん今の結果も欲しいが、目先のことにとらわれてブレたりはしたくない」と万波は言う。キャンプで課題を克服した先に、新球場での開幕スタメンが待っている。(清藤 駿太)

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2023年2月4日のニュース