大胆な改革断行で勝負の2年目 中日・立浪監督、大逆襲へ静かなる闘志

[ 2023年2月4日 07:30 ]

<中日キャンプ>新デザインのユニホームをまとい、柳と話す立浪監督(中央)(撮影・椎名 航)
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 昨季最下位からの逆襲へ、指揮官は静かに闘志を燃やしている。就任2年目の中日・立浪和義監督だ。2月1日の春季キャンプを前に、沖縄・北谷の1軍宿舎で全体ミーティングを開き、「昨年の悔しい思いを、ばん回しようと、伝えました」とナインを鼓舞した。

 屈辱を晴らす。昨季は2016年の谷繁元信監督(シーズン途中で森繁和監督代行に)政権以来、6年ぶりの最下位に転落。侍ジャパンに選出された高橋宏をはじめ、大野雄に小笠原、柳ら充実の先発陣に、ロドリゲスとR・マルティネスら救援陣も強力だが、球団ワーストとなる26度の零敗を喫するなど、得点力不足に泣いた。

 強い決意の表れが、大胆なチーム改革。二遊間を担った京田と阿部をトレードし、戦力外を含めて約20人がチームを離れた。大砲候補のアキーノ、3年ぶりに復帰したアルモンテ、複数ポジションをこなすユーティリティーのカリステを獲得するなど助っ人補強にも自ら視察に出向いた。

 “血”を入れ替えた今、チーム内競争を促す。1番に岡林を起用する構想はあるが、ほぼ全ポジションで定位置争いさせる方針。遊撃は高卒3年目の龍空が筆頭だが、ドラフト2位・村松(明大)、同6位・田中(亜大)ら新人には即戦力内野手が豊富。アルモンテとアキーノ、ビシエドも含めた外国人枠を巡るバトルも過熱。小笠原を筆頭とする開幕投手争いは互いを刺激し、さらなるレベルアップにつながるはずだ。

 強い日差しが照りつける沖縄・北谷で、立浪監督はメイン球場やブルペン、室内練習場と広大な敷地内を精力的に動き回っている。「選手たちは各自で準備はしてきたなという印象を受けました。第1クールはまずは慣らしながら、次の段階にいく準備と思っています」。長いシーズンを戦い抜くために、冷静に見極める構えだ。

 「昨年1年間やった中で、我々も反省点はあった。選手の力をうまく引き出してあげられるように」と指揮官。一昨年には、ヤクルトとオリックスが前年最下位からリーグ制覇。両軍は昨季も日本一を争うなどV字復活を遂げている。逆襲への道筋を示せるか、立浪竜に注目だ。(記者コラム・湯澤 涼)

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