「左のコンタクトヒッター」吉田正に追い風 大リーグ、来季から極端なシフト禁止

[ 2022年11月18日 05:00 ]

オリックスからポスティングシステムによるメジャー挑戦を容認された吉田正
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 【記者の目】ポスティングシステムでメジャー移籍を目指すオリックス・吉田正尚外野手(29)にとって、追い風となるルール変更がある。大リーグは来季から極端な守備シフトが禁止となり、内野手は二塁ベースの両側に2人ずつ配置しなければならない。これにより、最も恩恵を受けるのが「左のコンタクトヒッター」と言われている。

 大リーグでは、エンゼルスの大谷のような左の強打者に対しては、一、二塁間に3人の内野手を配するのが定石となっていた。ワールドシリーズを制したアストロズは最もその傾向が強く、今季、左打者2585打席でシフトを敷いた回数は2121回で、実に82・1%(右打者は25・3%)。データ重視の大リーグでは2013年ごろから極端な守備シフトが流行。内野の間をゴロで抜くのは難しく、対抗策として「フライボール革命」がトレンドとなった。その一方で「三振か本塁打」という打者が増え、今季の大リーグ全体の打率は・243と68年以降では最低に。今回は投高打低を解消するためのルール変更で、来季は強いゴロで内野の間を抜ける安打が増えると予想されている。

 吉田正の売りは長打力もありながら、確実性も兼ね備えていること。通算三振率はわずか9・4%で、イチローの日本時代の8・1%に迫る。今季はリーグ2位の打率・335をマークした一方で、日本でもシフトを敷かれ、127のゴロアウト中、70・9%に相当する90が一塁もしくは二塁ゴロで「網」にかかることも多かった。シフト禁止となる大リーグなら高打率も期待できる。

 このルール変更に対応するために、コンタクト重視のスイングに改造する打者もいると聞く。吉田正は守備と走塁面の評価は高くないが、大リーグ球団が求める理想のタイプの打者であり、フィットするチームは複数あるとみている。(甘利 陽一)
 

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