DeNA伊藤 端正なマスクで流行をキャッチ 着こなしの要はモノトーン「こだわってます」

[ 2022年11月18日 05:20 ]

私服を披露する伊藤光(撮影・会津 智海)
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 おしゃれで流行に敏感なプロ野球選手を取り上げる新企画「NPB MEN’S CLUB」。第2回はDeNAの伊藤光捕手(33)にスポットを当てる。端正なマスクと誠実な人柄でファンからの人気も高い男は、ファッションの知識も豊富。捕手らしく緻密に計算された着こなしやアイテム遣いなど、そのこだわりを語り尽くした。(取材・大木 穂高)

 ――まずは着こなしで一番のこだわりを。
 「モノトーンが多いです。そこはこだわってますね。着ていて、一番しっくりくるから。着やすさ、合わせやすさ、ですかね」

 ――流行にも敏感?
 「そうですね。チェックします。ショップの店頭を飾っている服を見て、“今はカーキがはやっているんだぁ”という感じで」

 ――今回のファッションは?
 「ユニクロで、ジルサンダーとのコラボもので(※1)。モノトーン系が好きなので、それをベースに。オーバーサイズのアウターを羽織り、ボタンははめません。はめるとちょっと堅く見えるので」

 ――パンツは?
 「柔らかい素材を選びます。やっぱり大きい尻が邪魔をする。気に入ったものをはけないことが多いのでワンサイズ大きめで。ゆったりした中でもピッタリ感を求めます」

 ――帽子も似合っている。
 「最近はバケットハット(※2)がはやっています。今日の格好ならこの帽子、と決めました」

 ――私服のバリエーションはどのぐらい?
 「1カ月、違う服でいけると思います。15年、プロ野球選手をやってきて、服も積み重なってきました」

 ――休日の外出でも服装は意識する?
 「もちろん。僕はランチが好き。野球選手は月曜日のオフが多いので、お店にスーツ系のビジネスマンがいることが多い。だからイタリアンだったらシャツ系とか周りに合うように。一度、デニムにロンT姿で浮いてしまったので…」

 ――捕手としての繊細さがファッションへの考えにもつながっているように思う。靴へのこだわりも強い?
 「強いかもしれないです。家を出る前に服選びに時間はかからないけど、靴で迷う。鏡を見て、これは違う、と部屋に戻ることは何回もありますね」 

 ――本日はスニーカーを履いているが、何足ぐらい持っている?
 「スニーカーは100足ぐらい。クリアケースに入れて飾っているものもある」

 ――プレミアが付いているものとかも?
 「ジョーダンとオフホワイトがコラボしたハイカットのスニーカーもあります(※3)。それは履かない。履かずに見ている。いつも嫁さんに“足が何本あるの?”と言われるので“分かってないなぁ”と返します」

 ――記者は3足ぐらいで十分ですが、まだまだ狙っているスニーカーはあるのか?
 「一番、欲しいものは、まだ買えていないですね。100万円ぐらいするので…」

 ――伊藤選手の給料なら簡単に買えるのでは?
 「無理ですね(食い気味に即答)」

 ※1 ユニクロとジルサンダーのコラボは「+J(プラスジェイ)」として09年秋冬から5シーズン、20年秋冬から3シーズンで展開。ベーシックアイテムを現代的にしたデザイン性とカシミヤなど上質な素材を適正価格で販売し、発売日には各店舗で入場規制や販売制限も行われるほど人気を博す。

 ※2 バケットハットは短いツバとフラットな天井が特徴で「バケツを逆さまにしたような帽子」。90年代ファッションが再燃した15年頃から注目を集める。主にコットン素材が主流だが、ファーやボア、フェイクレザー素材なども展開。目深にかぶることで小顔効果が期待できる。

 ※3 デザイナーのバージル・アブロー氏が手がけるストリートファッションブランド「オフホワイト」がナイキとタッグを組み、17年から「THE TEN」コレクションを展開。人気のバスケットシューズ「エアジョーダン」も斬新なデザインで再構築した。抽選で販売され、コレクターの間では定価の数十倍で取引もされている。

 《靴下にもこだわり「STANCEが好き》伊藤のこだわりは靴下にも及んでいる。「“STANCE(スタンス)”が好き。締めつけのない感触がいい。素材も破れにくくて、めちゃくちゃはきやすい」。同ブランドはMLBやNBAのオフィシャルソックスでもあり、プレー中にはいている選手も多いという。「今日も服装に合わせてはいているんですよ。真っ白。僕はカジュアル版のものを多く持っています」と笑顔を見せた。

 《故障、コロナ感染で悔しい1年「来年こそは」》伊藤は4年契約の3年目だった今季は故障やコロナ感染による離脱もあって1軍は40試合の出場で打率.277、0本塁打、8打点。「僕の思いに反してケガで離脱する。それが本当に悔しい。言い訳するつもりはないが、やはり何かが足りなかった」と振り返る。

 開幕から戸柱らと日替わりで先発出場を続けていたが、4月7日に左脚の張りで出場選手登録を抹消された。その後に新型コロナウイルスの陽性判定も受け、1軍復帰は6月23日の巨人戦だった。

 「出場できなかった2カ月間は“何をしているんだろう”という思いだった。自分はまだ成長できるし、来年こそはケガなく過ごしたいです」と伊藤。まだまだ成長途上の若手が多いチームにおいて、伊藤の役割は多い。

 ◇伊藤 光(いとう・ひかる)1989年(平元)4月23日生まれ、愛知県出身の33歳。明徳義塾では3年夏の高知大会準優勝で甲子園出場はなし。07年高校生ドラフト3巡目でオリックス入団。13年に初の規定打席に到達しキャリアハイの打率.285。18年シーズン途中にDeNAにトレードで移籍。今季までのプロ通算15年間で957試合に出場し、打率.238、28本塁打、240打点。1メートル80、83キロ。右投げ右打ち。

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