元スカウト・堀井和人氏 福留は近鉄入団を拒否した時も、誠意を持って対応してくれた

[ 2022年9月24日 07:15 ]

セ・リーグ   中日3―9巨人 ( 2022年9月23日    バンテリンD )

1995年のドラフト会議、意中の球団から指名されず、社会人入りを決めるPL学園の福留孝介
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 「ご苦労さん」――。福留の引退試合の夜、ダイエー、近鉄、オリックスと3球団で30年間、スカウトで活動した堀井和人氏(74)は大阪・ミナミで経営するスナックで福留のために杯を傾けた。

 スカウトと選手として縁はなかった。それでも忘れられない選手だ。95年に近鉄が7球団競合の末に、佐々木恭介監督が交渉権を獲得。事前の調査で獲得が困難だと結論は出ていた。だが、球団の判断は「沿線(富田林)の選手。(指名を)やめるわけにはいかない」。チーフスカウトの河西俊雄からは「腹をくくれよ」と言われ、鹿児島の実家に通い、粘り強く交渉を続けた。

 結果は入団拒否となったが、誠意を持って対応してくれた。17年、星野仙一氏の野球殿堂入り祝賀パーティーで久しぶりに再会。「いろいろお世話になりました」と頭を下げられた。「7球団競合。それだけの力のある選手だった。嫌な思いはない。ここまで頑張ってくれた。意思を貫く選手だった」と名スカウトも心からの拍手を送った。(鈴木 光)

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2022年9月24日のニュース