ヤクルト・村上はアウトになりましぇん!?“101回目のフォアボール”史上6人目2年連続大台超え

[ 2022年9月1日 05:00 ]

セ・リーグ   ヤクルト8-8巨人 ( 2022年8月31日    京セラD )

<巨・ヤ>10回、村上は今季101個目の四球で出塁する(撮影・奥 調)
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 僕はアウトになりましぇん!リーグ連覇に向け首位を走るヤクルトは31日、巨人と今季最長5時間28分の死闘の末に延長12回、8―8で引き分け。令和初の3冠王を狙う村上宗隆内野手(22)は4回に今季初の三塁打を放ち、3四球も選んで今季101四球とし、史上6人目の2年連続100四球を達成した。最近7試合で5敬遠を含む15四球とバットを振らなくても存在感は十分。チームは最短で3日にも優勝マジックが再々点灯する。

 時計の針は午後11時28分を指していた。2試合連続の延長戦は今季最長の5時間28分、延長12回の末に引き分け。8得点を挙げた打線において6打席で4度出塁した村上について高津監督は「どうやってつなげるか、どうやって1点取るか。(村上が)出塁することで相手にプレッシャーがかかる」と語った。

 02年の巨人・松井秀喜以来となる日本人の50号は2試合連続でお預け。打点もなかった。それでも22歳にして漂う圧倒的な風格が、得点を生む。4回先頭では2年ぶり、通算3本目の右中間三塁打を放ったが、この日は3四球。4度の出塁で2度本塁生還するなど3度が得点に絡んだ。2回に続き、7回の四球で昨年の106四球に続き、史上6人目となる2年連続100四球を達成。王貞治、落合博満らレジェンドに肩を並べた。得点にはつながらなかったが10回も先頭で四球。熊本出身の村上とは同じ九州の福岡出身である俳優・武田鉄矢が主役を演じた人気ドラマ「101回目のプロポーズ」ならぬ、「101回目のフォアボール」で勝利を目指した。

 打率・339、49本塁打、120打点で令和初の3冠王に向けて突き進む4番は「フォアボールも凄く自分の中では価値のある打席になっている」と語る。この日も前後を打つ山田、オスナに一発が出るなど相手バッテリーへの圧力は半端ない。打つべき球を打つ。その選球眼は九州学院時代から備わっていた。担当の松田慎司スカウトは1年春から注目し、3年間で何度も村上の打席を見た。「スカウトが来ていることを知った選手は打ちたくて若干のボールでも手を出す。村上の試合は何度も見に行きましたが、ボール球に手を出したイメージは全くない」と証言する。

 2位・DeNAが勝ったため、ゲーム差は6・5に縮まったが、最短3日に優勝マジックが再々点灯する優位は変わらない。村上は「自分が犠牲になってでも点を取りたい場面はある。とにかくチームが勝てるようにチームのために動きたい」と語る。日本を代表する長距離砲が持つ自己犠牲の精神。それがチームの強さを物語っている。(青森 正宣)

 ▽101回目のプロポーズ 91年7~9月にフジテレビ系「月9」枠で放送されたテレビドラマ。浅野温子と武田鉄矢のダブル主演で、平均視聴率23.6%、最終回は36.7%を記録した。真面目が取り柄のサラリーマン・達郎が100回目のお見合いでチェロ奏者・薫と出会い猛烈なアタックを続け、成就するまでを描いた。達郎がダンプカーの前に飛び出し、「僕は死にましぇん!あなたが好きだから!」と叫ぶセリフは、同年の新語・流行語大賞の大衆部門・金賞を受賞。主題歌はCHAGE and ASKAの「SAY YES」。

 ≪ゴジラ超え最年少≫村上(ヤ)の四球は今季101となり、昨季の106に続く2度目のシーズン100四球を記録した。2年以上連続の100四球以上は63~78年王貞治(巨)の16年連続を筆頭に史上6人目で7度目。ヤクルトでは18、19年山田に次ぎ2人目となった。また、21、22歳での2年連続100四球以上は、63、64年王、97、98年松井秀喜(巨)の23、24歳を抜く最年少達成だ。なお、シーズン100四球と50本塁打の両立は13年のバレンティン(ヤ=60本塁打、103四球)まで過去5人(8度)だけ。現在49号の村上はこの記録にも王手がかかっている。

 ≪マジック最短再々点灯3日≫ヤクルトが引き分けて、DeNAが勝ったため、ヤクルトのマジック再々点灯は最短でも3日まで延びた。ヤクルトが2、3日の中日戦に連勝した場合は、DeNAが1日の中日戦から3日の広島戦で3連敗か2敗1分けでM17が出る。

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2022年9月1日のニュース