阪神・浜地 「ゼロ」への執着で1116日ぶり3勝目「どんな状況でも0点で終われる。それができている」

[ 2022年9月1日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神6―5広島 ( 2022年8月31日    甲子園 )

<神・広>7回1死満塁、ロハスの右犠飛で近本が生還し、手を叩いて喜ぶ浜地(36)、伊藤将(27)ら(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 「ゼロ」に執着するからこそ、勝負どころでボールにさらに球威が加わる。こん身のオール直球勝負で阪神・浜地が窮地を見事に切り抜けた。

 「どんな状況でも、0(点)で終われるというのは、今年すごく意識していることなので、それができているかなと思います」

 同点の7回に登板し2死一、二塁のピンチを招いた。対峙(たいじ)したのは巧みなバットコントロールを誇る西川。小手先ではなく、力でねじ伏せることを決めた。4球目にはこの日最速の150キロも計測。最後は149キロで中飛に仕留めた。直後に打線が勝ち越して19年8月11日広島戦以来1116日ぶりとなるプロ3勝目もゲットした。

 無死一塁では秋山もすべて直球で3球三振と、中心打者を自慢のウイニングショットで次々になで斬り。「本当に良い打者が並んでいる打線なので、いろいろ打線を見ながら勝負していこうと思った」と振り返った。

 開幕からブルペンの一員として地道に結果を積み重ね、ビハインドでの起用から今や勝ちパターンの一角に定着。「7回の男」は、この夜の力投で14試合連続無失点と鮮度抜群のパフォーマンスを続けている。防御率も0・92まで良化。セ・リーグの40試合登板以上のリリーフ投手で唯一の0点台で、12球団でもソフトバンクのモイネロ、嘉弥真と浜地だけだ。

 魚の「ハマチ」は出世魚で体の大きさに伴って「メジロ」「ブリ」に呼び名を変える。もはや「メジロ」と呼んでも良いぐらいの成長と存在感。そんな浜地だが、好きな魚は「ウナギ」と即答し、釣りも「プロに入ってからはちゃんとやったことがないですね」と未経験。浜地にハマチを釣らせるために、藤浪からはオフシーズンの釣行に誘われている。

 目標に掲げる50試合まであと8。甲子園という名の“大海”で見せる浜地真澄の出世物語はまだ終わらない。(遠藤 礼)

続きを表示

この記事のフォト

2022年9月1日のニュース