近江・山田、U18W杯守護神だ 圧巻の大学生斬り1回3Kも「パワーの差、技術面の差を感じた」

[ 2022年9月1日 04:00 ]

U18W杯壮行試合   高校日本代表1-4大学日本代表 ( 2022年8月31日    ZOZOマリン )

<高校日本代表・大学日本代表>8回から登板したU18日本代表・山田(撮影・藤山 由理)
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 18歳以下によるU18ワールドカップ(9日開幕・米フロリダ州)に出場する高校日本代表が31日、ZOZOマリンで大学日本代表と壮行試合に臨んだ。1―4で敗れたものの、8回に登板した今秋ドラフト上位候補の近江・山田陽翔(はると)投手(3年)は1回を無安打無失点、3奪三振。本番でクローザー起用される見込みの右腕が、悲願の初優勝に向けて圧巻の投球を披露した。

 甲子園を沸かせた右腕が、大学生相手にも真価を見せつけた。高校ジャパンの守護神に指名された山田が8回に登板。アウトを全て三振で奪い、1イニングを無安打無失点と、W杯へ最高のデモンストレーションだ。

 それでも、より気を引き締めるところが頼もしい。「パワーの差、技術面の差を感じた。こういった実力の差が必ず、世界と戦う時にどれだけ食らいついていけるかというところに生きてくる。今日の反省を生かしていきたいと思います」。主将の大役も担う責任感がにじんだ。

 まずは今秋ドラフト上位候補に挙がる中大のスラッガー・森下をスライダーで空振り三振。次打者には四球を与えたが、3球目には自己最速にあと1キロと迫る148キロを計測した。続く攻守巧打の仙台大・辻本はスライダーで見逃し三振斬り。最後は今春の東京六大学リーグ戦でMVP&首位打者の明大・宗山を外角直球で空振り三振に仕留めた。甲子園通算で歴代3位の115奪三振をマークした山田が存在感を放った。

 今夏甲子園で全5試合に先発し計644球を投げた。疲労を考慮され、ブルペン投球再開は29日。万全の調整ではない中で、初体験のクローザーに備えた救援登板で快投した。チームを率いる明徳義塾・馬淵史郎監督は「国際大会はタイブレークが非常に多いと聞いているし、これを勝ったらメダルというような状況もある。ここ一番で(早い回から)いってもらうこともある」と、7イニング制のW杯に向け、最終回や1イニングに限定しない起用方針を示唆。打撃も非凡だが投手に専念させる予定で、背番号1の右肩にかかる期待は大きい。

 「チームがいい雰囲気でできるように、自分自身が変わらないといけない。もっとキャプテンらしく責任を持って、選手が伸び伸びできるような環境を自分がつくっていきたい」と山田。高校生らしからぬ頼もしさを随所で発揮する背番号1が、初の世界一へと力強くけん引する。(北野 将市)

 ◇山田 陽翔(やまだ・はると)2004年(平16)5月9日生まれ、滋賀県栗東市出身の18歳。近江では1年夏の独自大会からベンチ入りし、秋からエース。2年夏は甲子園4強。3年春は甲子園準優勝、夏は4強。球種はツーシーム、カットボール、スライダー、カーブ、フォーク。1メートル75、78キロ。右投げ右打ち。

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