西純で呪縛解放!阪神 京セラD主催試合9試合目でやっと勝利「攻めの気持ちを忘れず打者と対戦できた」

[ 2022年8月26日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神5―0DeNA ( 2022年8月25日    京セラD )

<神・D>3回2死一塁、遊撃内野安打を放ち、笑顔でベンチに手を振る西純撮影・北條 貴史) 
Photo By スポニチ

 阪神・西純矢投手(20)が25日のDeNA戦に先発し、6回4安打無失点で5勝目を挙げた。打ってもプロ初のマルチ安打を記録するなど、投打で躍動した。京セラドーム大阪での初登板初勝利をDeNA戦初勝利で彩り、同戦のチーム連敗も5でストップ。リーグトップとなる17度目の零封勝利の原動力となり、前夜まで同球場での今季主催試合8戦8敗と苦しんでいた虎を、呪縛から解き放った。

 西純が負の連鎖を断ち切った。7点差逆転負けを喫した3月25日開幕戦に端を発した京セラドーム主催試合の“呪縛”から、虎を解き放った。

 「攻めの気持ちを忘れずに、打者と対戦できた。ピンチの場面を乗り切れたのが良かった」

 雪辱の92球だった。前回6月19日の対戦では3回1/3を3失点と攻略された打線相手に、この夜は粘り強くアウトを積み重ねた。初回1死一、二塁では牧を直球で詰まらせて一邪飛に仕留めると、続く宮崎は一転、カーブでタイミングを外して三ゴロに料理。3回2死一、二塁でも牧を空振り三振に斬った。最速153キロを計測した直球を軸に緩急を自在に操って要所を締めた。

 自慢の打棒も披露した。先頭の2回にはロメロの153キロ直球を野手顔負けの右前打。続く3回2死一塁でも150キロ直球を遊撃への内野安打とし、プロ入り初のマルチ安打。投打の躍動に矢野監督も「残り試合の中でも、今日みたいな投球をやっていってくれたら」と最敬礼だ。

 大先輩からの粋なサプライズ演出に力をもらった。2軍調整中の7月23日には鳴尾浜球場で糸井のシート打撃相手を務めた。するとそのお返しとして糸井が西純の写真に「#虎エール」を付けてツイッター投稿。それが球団が公募した『「#虎エール」を付けてあなたの歓声を“もっと”届け―る!』企画に採用された。同日のDeNA戦のイニング間に甲子園球場大型ビジョンで自身の写真が大きく映し出され、「何も聞いていなかったので、びっくりしました」と西純。昇格を目指す背中を押された。

 チーム内屈指の“愛されキャラ”。7学年上の藤浪とは練習中にちょっかいを出し合い、じゃれ合う仲。そして遠縁の親戚に当たる西勇からは折に触れて助言を受ける。今回の登板にあたっても「西勇輝さんに“勝った時こそ淡々と、次の登板に向けて準備しろ”と言われていた。良い準備ができたからこそ、良い形で投げられたのかなと思う」と教えを忠実に実践。ひたむきな姿が、先輩たちからの心強い援護点につながった。

 この日は6回無失点の力投で、リーグトップ17度目の零封勝利の原動力となった。残り25試合、ラストスパートの起爆剤となり続ける。(長谷川 凡記)

 《リーグトップ17度目無失点勝利》阪神は4投手の継投で無失点勝利。前日24日には12球団最多を更新する23度目の零敗を喫した一方で、無失点勝利17度はセ・リーグ最多、6完封(西勇、青柳、伊藤将が各2度)は12球団最多と対照的な数字を残している。

続きを表示

この記事のフォト

2022年8月26日のニュース