東京ベイの初戴冠を導いた「ザ・キャッチ」戦術貫徹で王者埼玉を下す ラグビーリーグワン決勝

[ 2023年5月20日 20:28 ]

ラグビーリーグワン プレーオフトーナメント決勝   東京ベイ17―15埼玉 ( 2023年5月20日    東京・国立競技場 )

<埼玉・東京ベイ>前半、空中のボールをキャッチする東京ベイ・木田(右から2人目)(撮影・吉田 剛)
Photo By スポニチ

 リーグワンとして2度目の決勝が行われ、東京ベイ(旧クボタ)が初代王者の埼玉(旧パナソニック)を17―15で下し、前身のトップリーグ時代を含めて初のリーグ制覇を達成した。

 ザ・キャッチ――。

 初戴冠に導くトライにつながったそのシーンは、後年まで日本ラグビー史に語り継がれるかも知れない。試合は開始直後からキックの応酬に。東京ベイもSOフォーリー、FBファンデンヒーファーを中心に長短キックやハイパント、ゴロパントを織り交ぜて相手ディフェンスをかく乱。プランを貫き、前半を9―3で折り返した。

 後半、メンバーの入れ替えで息を吹き返した相手に連続トライを許し、後半25分にこの試合で初めてリードを許した。このまま蹴り続けるべきか、あるいは戦術を変えるべきか。インゴールで組んだハドル。CTB立川主将は試合のターニングポイントとなった場面でメンバーに語った内容を明かした。

 「キックをするのか、(ボールを保持して)アタックするのか。全員で同じ絵を見ないといけない。これまで埼玉と戦ってきた中で、(プランが揺らいで)逆転されたことがあった。キック戦術でプレッシャーをかけ続けることが重要だと思っていた。その時の話し合いで決めた」

 そしてくだんのシーンは訪れる。再開後、マイボールラインアウトを経て途中出場のSH藤原がボックスキックを上げる。敵陣22メートルライン手前という絶妙な位置に落下したボールに、No・8マキシが相手FB野口と競り合いながらも先に触って後方に落とし、間髪なく追ったWTB根塚が捕球。ゴール前に迫ると、相手の防御陣形が崩れた隙を突いて立川が左大外のWTB木田にキックパス。鮮やかな逆転トライにつながった。

 立川は言う。「(逆転された)あの時間帯もキックを蹴って、うまくマキシと根塚がコンテストして、木田のトライにつなげてくれた。どちらかと言うと、(自分のキックパスより)その前が良かった」。準決勝では序盤にレッドカードで相手が1人少なくなったことでプランが変わり、思わぬ苦戦を強いられた東京ベイ。1週間前の蹉跌から学び、「ザ・キャッチ」につなげた。

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2023年5月20日のニュース