錦戸部屋の葛錦がプロ初白星 兄弟子・水戸龍のアドバイス生きた 幕内と序ノ口、支え合う2人

[ 2023年5月20日 11:29 ]

大相撲夏場所7日目 ( 2023年5月20日    東京・両国国技館 )

葛錦
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 今場所初土俵を踏んだ序ノ口・葛錦(15=錦戸部屋)が朝櫻井(15=高砂部屋)を寄り切ってプロ初白星を挙げた。

 立ち合い低く当たった葛錦が1メートル65、94キロの小さな体で懸命に押して攻め続け、最後は両前ミツをつかんで自身より約40キロ重い相手を寄り切った。相撲未経験で入門し、4番相撲で待望の初白星。デビュー戦で敗れた直後には悔しさのあまり涙を見せていたが、この日の表情は晴れやかだった。

 錦戸部屋の所属力士は、葛錦と幕内・水戸龍(29)の2人だけ。恵まれた環境とは言えないが「関取とマンツーマンで稽古できると考えると良い環境だと思う」とプラスに捉えている。水戸龍が出稽古などで不在の日は1人で黙々と四股やすり足などの基礎運動に励むことも。そんな時、偶然近くを通りかかった八角部屋の幕内・北勝富士(30)から丁寧な四股の指導を受けたこともあった。所属する部屋には関取がおり、隣接する部屋には関取2人を含む18人もの力士がいる。「錦戸部屋という環境の中で高めていきたい」と話すように、できることを自分なりに精いっぱいやっていくつもりだ。

 今場所から早速、水戸龍の付け人に就いた。入門したばかりの新弟子ながら、毎日支度部屋や花道で幕内力士たちの姿を間近で見ることで学ぶことも多い。「いろいろ覚えることもたくさんある。他の関取のアップを見て、どういう運動をすればいいか、人それぞれあると思った」。自分と同じ押し相撲の力士がすり足を重点的にやっているのを見て、それをまねるようになった。

 頼れる兄弟子からのアドバイスも生きた。ここまで3戦全敗で、勝ち越しへ後がない状況。「負けたくないっていう気持ちで、自分の中でプレッシャーがあった」という。そこで水戸龍から「何も考えないでいけ」と言われたとおり、星数は考えずに無心で初白星をつかみ取った。

 水戸龍は幕内で今場所ここまで4勝2敗と好調。先場所までは1人で寂しい思いもあったそうだが「今回は謙信(葛錦の本名)もいるので」と新弟子の存在が力になっていた。29歳の幕内力士と15歳の新弟子。実力差は大きくても、2人で支え合っていく。

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