高安 優勝争い残った!3敗1差ピタリ、初Vへ本割も決定戦も勝つ 2場所連続平幕Vは31年ぶり

[ 2022年9月25日 05:30 ]

大相撲秋場所14日目 ( 2022年9月24日    両国国技館 )

豊昇龍(右)を引き落としで破る高安(撮影・久冨木 修)
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 混戦の優勝争いは平幕の2人に絞られた。高安が3敗を守って踏みとどまり、単独首位の玉鷲は2敗を守って王手をかけた。1差の2人は千秋楽に直接対決し、過去の対戦成績は玉鷲15勝、高安16勝とほぼ互角。玉鷲は本割で勝てば37歳10カ月での最年長優勝、高安は本割と決定戦で連勝すれば初優勝となる。2場所連続で平幕力士が優勝するのは、91年名古屋場所の琴富士、秋場所の琴錦以来31年ぶり2度目となった。

 勝たなければ優勝争いに残れない大一番、悲願の初優勝を狙う高安は、緊張どころか悟りを開いたような表情だった。負ければ玉鷲の優勝が決まる状況にも「いつも通り平常心で取りました」と精神状態に変化はなし。勝った直後も表情は一切変えなかった。

 落ち着き払った心とは対照的に、相撲は激しかった。立ち合い強烈なかち上げで豊昇龍の上体を起こしておいての引き落とし。八角理事長(元横綱・北勝海)は「差しにいったら相手のペースになる。一発で仕留めたね」と、3日連続繰り出しているかち上げの破壊力を評価した。

 千秋楽まで優勝争いに名を連ねながら賜杯に届かなかったことは過去3度。2差つけて先頭を走るなど絶対有利の展開から重圧に負けて自分の相撲が取りきれず涙をのんできた。これまでと違うのは、今場所一度も首位に立っていないということ。追う立場の強みを生かし、優勝を意識することなく目の前の相撲に集中してきた。

 逆転優勝へ向かう気持ちの高ぶりを問われると「とても穏やかな感じです」と淡々と答えた。「なるようになると思います。精いっぱいベストを尽くしたいです」。“4度目の正直”へ、今度こそ気負いはない。

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2022年9月25日のニュース