五十嵐カノアが“完全優勝”で初世界一 強さの秘けつは「先行逃げ切り」サーフィンワールドゲームズ

[ 2022年9月25日 09:53 ]

サーフィンワールドゲームズ最終日 ( 2022年9月24日    米カリフォルニア州ハンティントンビーチ )

<サーフィンワールドゲームズ最終日>男子決勝で優勝を決め、日本のチームメートに肩車されて喜びを爆発させる五十嵐カノア(C)International Surfing Association
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 男子決勝で東京五輪銀メダリストの五十嵐カノア(木下グループ)が15・96点をマークし、初優勝を飾った。世界選手権に相当するワールドゲームズ(WG)の日本人優勝は、男女通じて史上初めて。11位の村上舜、25位の上山キアヌ久里朱(くりす)の3人が出場した日本男子は、国・地域別でも優勝し、24年パリ五輪の出場枠1を獲得。最大3人の出場が可能となった。

 今大会は各ヒート3~4人で争い、上位2人がラウンドアップする方式で行われた。そんな中で五十嵐は1回戦から準決勝(7回戦)までの全7ヒートを全て1位通過。一度も2位通過がない完全優勝となった。その強さの秘密は今季のプロ最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)で自己最高の5位に入った技術力はもちろん、卓越した試合運びにある。

 キーワードは「先行逃げ切り」だ。決勝までの全8ヒートで、ライディング1本目の得点は2回戦(0・93点)と4回戦(3・50点)を除き、5点以上をマーク。1回戦は8点台、3、6、7回戦(準決勝)は7点台と、序盤からリードして他の選手にプレッシャーを掛け、得点の高いライディング2本の合計得点で争うヒートを次々に勝ち上がった。残り5秒のラストライディングで逆転1位となった6回戦も、直前まで2番手に付け、ラウンドアップをほぼ確定させた中での逆転劇だった。

 地元ハンティントンビーチの波を誰よりも熟知し、乗るべき波やセクションを的確に選び、自身初の世界一につなげた五十嵐。今大会を前に日本サーフィン連盟の井本公文強化委員長が「(昨年から)全てがうまくなった。勝ち上がる術を持っている」と高く評価した通り、五輪銀メダリストがさらにスケールアップした姿を見せた。

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2022年9月25日のニュース