【二所ノ関親方　真眼】朝乃山よ、強くなって戻ってきて　左上手切る相撲徹底を

大相撲名古屋場所13日目 （ 2022年7月22日    ドルフィンズアリーナ ）

朝乃山は寄り切りで大青山を破り三段目優勝を決め一礼して引き揚げる（撮影・奥　調）
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　私の心配は杞憂（きゆう）に終わりました。朝乃山は最後までよく自分の相撲を取り切ったと思います。1年間のブランクに加え、この位置では負けられないというプレッシャーもあり、途中で足踏みするのではと思っていましたが、番数を重ねるごとに朝乃山本来の相撲になっていきました。

　体は大関の頃に比べ少し小さく見えたかもしれません。ただ、それは締め込みと大銀杏（おおいちょう）の差。幕下以下は黒の木綿のまわしなので体が締まって見えます。私はむしろ、以前よりも大きくなったような印象を受けました。

　今の状態なら順調に関取に復帰できるでしょう。ただ戻ってくる時は、強くなって戻ってきてほしい。右四つの形を持っていますが、相手の左上手を切る相撲をもっと徹底するべきです。

　がっぷり四つに組む相撲では、照ノ富士には勝てません。誰からも朝乃山は変わったなと言われるような相撲を取って、少しでも横綱に対抗できる存在になってほしい。進化して戻ってこなければ何の魅力もありません。（元横綱・稀勢の里）