第41代式守伊之助が1場所2度の差し違え 打ち出し後に進退伺い提出も理事長慰留

[ 2022年1月17日 19:54 ]

大相撲初場所9日目 ( 2022年1月17日    両国国技館 )

<大相撲初場所9日目>寄り倒しで正代を破る明生(左)(撮影・西海健太郎)
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 立行司の第41代式守伊之助(本名・今岡英樹、高田川部屋)が1場所で2度の差し違え。結び前の明生―正代戦だった。左四つの体勢から前に出た明生が土俵際で大関に振られながらも体を預けて寄り倒した。裁いた第41代伊之助の軍配は正代。だが審判団から手が挙がり、協議の末に行司差し違えで明生が勝ち名乗りを受けた。

 打ち出し後に第41代伊之助は進退伺いを提出したが、八角理事長(元横綱・北勝海)から慰留された。第41代伊之助は4日目の正代―若隆景戦(勇み足で正代の勝利)でも差し違えており、1場所で2度目。審判長を務めた高田川親方(元関脇・安芸乃島)は「1回目は勇み足で仕方ないが、きょうのはダメですから。しっかりしなければダメだと理事長に苦言されていたし、私からも良く見て(軍配を)上げなさい、と。明生も分かっていたみたいだが東西を分からなくなって上げたみたいですね。まあそれはでもダメですから。しっかりしなさいということ」と厳しかった。2019年に昇格した第41代式守伊之助は8度目の差し違いとなった。

 行司の最高位でもある立行司は定員が2人。木村庄之助と式守伊之助を名乗り、結びを裁く。「脇差」とも呼ばれる短刀を腰に差すが、横綱、大関を裁く大役として差し違いなどをした場合に切腹する覚悟を示している。差し違えの多かった第29代式守伊之助は2000年初場所で初日から3日間の出場停止。2015年九州場所では、3日目と7日目に差し違えた第40代式守伊之助が3日間の出場停止となっている。第40代はこの場所の前後を合わせ3場所で4度差し違えた。

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2022年1月17日のニュース