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平野歩夢が“北京前哨戦”制し初のW杯総合優勝 スケボーに挑戦の夏から半年足らずで驚異の仕上がり

[ 2022年1月17日 05:30 ]

スノーボードW杯ハーフパイプ(HP) 最終戦 ( 2022年1月15日    スイス・ラークス )

ハーフパイプ男子で優勝した平野歩夢
Photo By 共同

 決勝が行われ、男子は五輪2大会連続銀メダルの平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)が93・25点で優勝し2連勝で今季2勝目、通算5勝目を挙げた。種目別でも3戦中2戦を制し、初の種目別総合優勝のタイトルを獲得。スケートボードで昨夏の東京五輪に出場してからわずか半年で、悲願の金メダル獲得へ勢いをつけた。

 人々の想像と期待のはるか上を行くパフォーマンスを見せてきた平野歩が、再び世界を驚かせようとしている。決勝2本目。公式戦では先月のデュー・ツアーで初めて成功した斜め軸に縦3回転、横4回転する超大技「トリプルコーク1440」に挑戦。着地が乱れて国際スキー連盟(FIS)公認大会での初成功はならなかったが、最後まで攻めの姿勢を貫いた。

 「順調に仕上がっている。自分の実力も確認できて、自信も高まった」

 本番が刻々と迫り、好調だった他の日本勢が総崩れとなる中、平野歩だけは異次元の世界を行く。決勝1本目はトリック5回を完璧に決めて93・25点をマーク。ダブルコーク(縦2回転)を入れた横4回転の連続技で入り、その後は第2戦よりも難度を上げたルーティンを完璧に滑り切った。喜怒哀楽を表に出さない性格だが、「内容的に良かった」と思わず笑みを浮かべるほどの手応えだった。

 平昌五輪と昨年3月の世界選手権で表彰台に立った全選手が出場した究極の前哨戦を制した。スケボーからの復帰半年足らずでのW杯タイトルは驚愕(きょうがく)に値する。その過程でなくてはならなかったのが、弟・海祝(かいしゅう、19=日大)の存在だ。「兄弟で上がっていきたい気持ちは特別」と、3度目の五輪は兄弟出場を目指していた偉大なる兄。東京五輪後の欧州での雪上練習期間には、「自分だけでなく、弟の目線が大事」と遠慮なく物を申せる良きアドバイザー役としても力を借りて切磋琢磨(せっさたくま)。今大会で海祝も見事に初五輪に当確した。

 平野歩はプロ大会の冬季Xゲーム(21~23日、米コロラド州アスペン)が五輪前最後の実戦になる見込みで、いよいよ夏季冬季合わせて4度目の大舞台に向かう。まだ見ぬ頂点へ「(2連勝で)満足しないように次もさらなる進化を見せられたら」と力強く語った。

 ◆平野 歩夢(ひらの・あゆむ)1998年(平10)11月29日生まれ、新潟県村上市出身の23歳。父・英功さんが地元でスケートパークを運営しており、4歳からスケートボードとスノーボードを始める。開志国際高―日大。14年ソチ五輪では冬季五輪の日本人最年少メダル記録となる15歳74日で銀メダルを獲得し、18年平昌五輪も2大会連続の銀。昨年の東京五輪ではスケートボード・パーク種目に出場(予選14位で決勝には進めず)。1メートル60、50キロ。

 《「兄ちゃんのおかげ」弟・海祝初の五輪確実》今季急成長を遂げた平野歩の弟・海祝が初の五輪切符を確実にした。この日も今までで一番いい形で斜め軸に縦2回転、横4回転する大技を決めて8位。「やっと世界の選手と戦えるようになってきた。五輪では感動を届けられるような滑りができたらいい」と気持ちを高ぶらせた。昨秋は特に海外で兄と同じ時間を過ごして鍛錬を積み「兄ちゃんのおかげでここまでうまくなれた」と感謝の思いを口にした。

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