南アが“逆転サヨナラPG”でNZの全勝V阻む 新ルール「50:22」キックが功奏

[ 2021年10月2日 21:13 ]

南半球4カ国対抗ザ・ラグビー・チャンピオンシップ最終節   〇オーストラリア 32―17 アルゼンチン● 〇南アフリカ 31―29 ニュージーランド● ( 2021年10月2日    オーストラリア・ゴールドコースト )

競り合う南アフリカとニュージーランドの選手たち(AP)
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 2試合が行われ、19年W杯日本大会優勝の南アフリカが、既に3大会ぶり7度目(トライネーションズ時代を含めると18度目)の優勝を決めているニュージーランド(NZ)にラストプレーで逆転勝ちして全勝Vを阻んだ。NZは5勝1敗、オーストラリアが4勝2敗で2位、南アフリカが3勝3敗で3位、アルゼンチンが6戦全敗で最下位。南アはNZと入れ替わり、世界ランキング1位復帰も決めた。

 NZ―南アは通算100回目の対戦だった前週に続いて激闘となった。前半6分、相手パスミスから南アCTBディアレンディが右中間へ先制トライ(5―0)。両軍とも1PGずつ決めた3―8の前半13分、NZはSOボーデン・バレットのキックパスを受けたWTBリースが右隅へ同点トライ(8―8)。8―11の28分にはB・バレットの突破からフランカーのサベアがトライを決めて15―11と逆転し、33分には相手ゴール前ラインアウトのミスを拾ったSHウェバーが左隅へ飛び込んで20―11とした。

 南アは前半ラストプレーでSOポラードがPGを決めて14―20で折り返し。後半5分のPGで17―20と3点差に詰め寄ると、途中出場したFBステインが持ち味のロングキックをさく裂させた。自陣から蹴ったキックがハーフウエーラインと敵陣22メートルラインを超え、ワンバウンドしてタッチへ。今季採用された試験的ルール「50:22キック」でマイボールのラインアウトを獲得し、ラインアウトモールから攻めて後半12分にWTBマピンピが左隅へ逆転トライを決めた(22―20)。

 南アはさらにPGで25―20とリードを広げたが、NZも27分にFBのジョーディー・バレットのPGで23―25。後半33分過ぎにはステインが相手を仰向けに倒すタックルからボールを奪ったプレーが反則を取られたのを機に両軍入り乱れての乱闘騒ぎとなり、南アはロックのエツベスとフッカーのマークスがバッティングで頭から流血と、壮絶なゲームとなった。36分、J・バレットのPGで26―25と再逆転したNZに対し、南アも後半37分に途中出場のSOエルトン・ヤンチースが約40メートルのDGを沈めて28―26。NZは39分、J・バレットがこの日4本目のPGを成功させて29―28としたが、南アはラストプレーでラインアウトモールからゴール前へ攻め込み、相手反則を引き出してE・ヤンチースが“逆転サヨナラPG”を決めた。

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2021年10月2日のニュース